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【子育て世帯必見】NISA・iDeCo・保険、何にいくら回す?教育費2,000万円時代の家計の組み立て方

【子育て世帯必見】NISA・iDeCo・保険、何にいくら回す?教育費2,000万円時代の家計の組み立て方

それぞれの役割と配分を考えよう

「教育費にいくら必要なのか分からないまま、なんとなく学資保険に入っている」「NISAは始めたけど、iDeCoや保険とのバランスが分からない」——子育て世帯の方からよくいただく相談です。

文部科学省の調査によると、幼稚園から高校までの15年間でかかる学習費総額は、すべて公立に通った場合で約614万円、すべて私立の場合で約1,969万円にのぼります。これに大学の学費・下宿費などを加えると、教育費の総額は珍しくなく2,000万円規模になります。

これだけの金額を準備するには、保険・NISA・iDeCoという3つの制度を、それぞれの役割に応じて組み合わせる必要があります。今回は、30〜40代の子育て世帯を想定して、この3つをどう使い分けるかを整理します。

まず押さえたい「3つの役割の違い」

・保険:万が一(死亡・就業不能など)が起きたときに、教育費や生活費が途切れないようにする「保障」

・NISA:教育費など、いつか必ず使う予定のあるお金を、非課税で増やしながら準備する「資産形成」

・iDeCo:老後資金専用。60歳まで引き出せない代わりに、所得控除という強い税制優遇がある「老後の備え」

子育て世帯の場合、教育費というはっきりした使い道と時期がある支出が控えているため、「いつでも引き出せるか」という流動性が非常に重要になります。この観点から、まずは保険とNISAを優先し、iDeCoは家計に余裕が出てから、という順番で考えるのが基本です。

1. 保険:「貯める機能」と同時に「保障」を確認する

子育て世帯でまず確認すべきは、いかなる状況でも教育費の準備ができているか、具体的には親に万が一があったときでも、子供の教育計画に変更が及ばないようにする保障です。

必要保障額の考え方

必要保障額は、ざっくり言うと「残された家族が今の生活を維持するために必要な金額」から「遺族年金などの公的保障」と「現在の貯蓄」を差し引いた金額です。会社員の場合は遺族厚生年金も受け取れますが、自営業の方は遺族基礎年金のみとなるため、必要保障額が大きくなる傾向があります。

子どもが小さいうちは必要保障額が大きく、子どもの独立とともに小さくなっていくため、保険料を抑えながら必要な保障を確保できる「収入保障保険」(毎月一定額を年金形式で受け取れるタイプ)が、子育て世帯には合理的な選択肢になることが多いです。
定期保険(一時金タイプ)と比べて、同じ保障内容であれば保険料を抑えやすいのが特徴です。
ただ昨今インフレ社会(物価上昇社会)に転じているため、徐々に保障額が下がるタイプは考え直す時かもしれません。
時間が経つにつれ、遺族の生活費も増えていくからです。
ずっとインフレ社会のアメリカに、収入保障タイプがないのもこれが理由です。
支払い余力があるなら、やはり「保険は四角」が一番です。

学資保険は、いまの教育費インフレには対応できない

学資保険は「確実に貯まる」という安心感がある一方で、満期返戻率は100%前後〜105%程度にとどまり、利回りで見れば年0.数%程度の世界です。
一方で、文部科学省の調査をはじめ、学校教育費・学校外活動費はここ数年明確に上昇傾向にあり、私立大学の初年度納付金も平均136万円台まで上がっています。
18年という長期間、ほぼゼロ近い利回りでお金を固定してしまう学資保険は、教育費インフレが続く局面では「確実に目減りする」選択肢になりかねません。

おすすめは「掛け捨て保険+NISA」か「変額保険(P免付き)」のどちらかで備えること

学資保険のように、最初から利回りを固定してしまう商品で教育資金を準備するのは、インフレが続く局面では分が悪い選択です。
代わりに、次の2つのいずれかで備えるのが現実的です。

パターンA:貯蓄性のない保険(収入保障保険など)+NISA

死亡保障は掛け捨ての収入保障保険でシンプルに確保し、教育資金そのものはNISAで運用して育てる、という役割分担型です。
保険料を抑えられるため、その分NISAへの積立額を増やせるのが利点です。
保障と資産形成を別の商品で持つため、それぞれの見直し(保障額の調整、運用商品の変更など)を独立して行いやすいというメリットもあります。

デメリットは、いざ万が一血が起きた時、受け取る保険金を将来の積立に回す余裕があるとは限らないということです。
本来は保険金で積立運用を継続するはずが、治療費や生活費に消えてしま巣恐れがあり、それでは将来の資金、教育費や老後の生活資金を準備できない可能性があります。

パターンB:変額保険(保険料払込免除特約付き)1本で備える

もう一つの選択肢が、死亡・高度障害時はまとまった保険金が受け取れ、三大疾病などで所定の状態になった場合に以後の保険料払い込みが免除され(P免)、それでいて中身は株式や債券などで運用される変額保険です。
この場合、契約者である親に万が一のことがあっても、あるいは働けなくなるような病気(がん・急性心筋梗塞・脳卒中など)になっても、その後の保険料負担なしで運用が継続され、教育資金の積立が途切れません。NISAでは「死亡・障害・病気で積立できなくなるリスク」そのものはカバーできないため、ここを保険で埋めたいご家庭には、変額保険1本でまとめる設計が強みを発揮します。

どちらが向いているかは、保険料負担の感じ方や、保障と運用を分けたいか一体化したいかという好みによって変わります。
パターンAは保険料が割安で運用先を自由に選びやすく、パターンBは三大疾病まで含めた保障と運用を1つの契約で管理できる、という違いで考えるとよいでしょう。

変額保険の「手数料の高さ」をどう考えるか

変額保険は、NISAでの運用と比べて保険関係費用(契約初期費用や保険関係費用など)がかかる分、コストの高さが指摘されることがあります。これは事実であり、純粋な運用効率だけを見れば、NISA単体の方が有利です。

ただし、教育資金づくりにおいて本当に怖いのは「効率の良し悪し」よりも「途中で積立が止まってしまうこと」です。長期の積立投資で資産が育つかどうかを左右する最大の要因は、利回りの差以上に「続けられたかどうか」にあります。NISAだけで積み立てている場合、親に万が一のことがあれば、その時点で積立は止まり、それまでの運用期間で得られたはずの将来の成長分も失われます。

変額保険にかかる保険関係費用は、言ってみれば「親に何かあっても積立が途切れない仕組み」を買うためのコストです。とりわけ教育資金は、子ども自身がコントロールできない「親の事情」によって用意できなくなってはいけない性質のお金です。
多少コストが高くても、途切れずに積立が続く設計を優先する、という考え方には十分合理性があります。「効率を多少犠牲にしてでも、継続を確実にする」ことが、教育資金においては最優先事項になり得る、という点は知っておいていただきたいポイントです。

進学時に相場が悪ければ、いったん奨学金でつなぐという考え方

NISA中心の設計でいちばん懸念されるのは、「進学のタイミングでたまたま相場が下がっていた場合」です。ここで無理に大きく値下がりした資産を取り崩してしまうと、本来得られたはずの将来の値上がり益を逃すことになります。

この対策として、進学時に相場が芳しくない場合は、いったん奨学金(特に無利子の第一種奨学金や、利率の低い第二種奨学金)で立て替え、その後相場が回復したタイミングでNISA資産を取り崩し、その資金を返済資金として子どもに渡す、という「つなぎ」の発想が有効です。奨学金は実質的に低金利の資金調達手段と捉えることができ、相場の底値で無理に売却するリスクを避けながら、本来の運用効果を最大限に活かすことができます。

ただし、この方法は奨学金の借入条件(在学中の所得制限、返還義務など)や、お子さんご本人が将来返済の当事者になる場合があることへの理解が前提になります。家族でどこまでこの方法を取り入れるか、事前にすり合わせておくことをおすすめします。

医療保険は最低限でよいことが多い

日本は高額療養費制度があるため、医療費が際限なく膨らむことはありません。
子育て世帯は教育費と保障のバランスを取る必要があるため、医療保険に多くの保険料を割くより、死亡保障や教育費準備に資金を回す方が合理的なケースが多いです。

2. 教育費準備に便利な制度

教育資金準備は大変な道のりですが、国の制度を活用することが助けとなります。

児童手当を原資にする

児童手当は、2024年の制度拡充により高校生年代(18歳到達後最初の3月31日まで)まで支給対象が広がり、偶数月の年6回支給されています。
この児童手当を生活費に使わず、そのまま変額保険やNISAでの積立に回す、というのが教育費準備のコツです。

「こども支援NISA」の新設(2027年1月開始予定)

2025年12月の税制改正大綱で、子ども向けの新しいNISA制度(こどもNISA)の創設が決定しました。
2027年1月の開始が予定されており、生涯投資枠600万円(旧ジュニアNISAの400万円から拡大)、非課税期間は無期限という内容です。
18歳までは引き出しに制限がある点は旧ジュニアNISAと同様です。
(12歳から条件付きで可能)
今お子さんが小さいご家庭は、制度開始のタイミングで活用を検討する価値があります(詳細は今後の発表を待つ必要があります)。

個人的には、教育費を払うのは親御さんなので、教育費準備は親御さんのNISA口座でやるべきだと考えています。
こどもNISAはお子さんに将来引き継いであげる目的でよいと思います。

出口(取り崩し)も計画しておく

進学が近づいたからといって、機械的にすべて現金化する必要はありません。
相場が良いタイミングであればそのまま取り崩して充当し、相場が悪いタイミングであれば前述の奨学金でいったんつなぐ、という柔軟な判断ができるよう、進学の数年前から「相場次第でどちらの選択肢を取るか」を家族内で話し合っておくとよいでしょう。

またあくまで現金化するのは必要な分だけ、残りは運用を継続し、親御さんの老後資金に向けて運用していくことも考えておきましょう。

3. iDeCo:無理に始めなくていい、始めるなら「余剰資金」で

iDeCoは掛金が全額所得控除になる、非常に強い節税効果を持つ制度です。
ただし、原則60歳まで引き出せないという制約があるため、教育費のピークが来る子育て世帯にとっては、優先順位を一段下げて考えるのが基本です。

iDeCoを検討してよいタイミングの目安

生活防衛資金(生活費6ヶ月分程度)が現金で確保できている
NISAで教育費の積立がすでに回っている
そのうえで、家計に「当面使わない余剰資金」がある


このすべてを満たしたうえで、所得税率が高い方(課税所得が一定以上ある共働き世帯など)は、iDeCoの所得控除メリットを積極的に活用する価値があります。逆に、教育費の確保がまだ不十分な段階で無理にiDeCoの掛金を増やすと、いざというときに資金が動かせず、家計が苦しくなるリスクがあります。

配分のシミュレーション例

パターンA(掛け捨て保険+NISA)の場合


収入保障保険:月額3,000〜5,000円程度(必要保障額に応じて調整)
NISA(つみたて投資枠):月3〜4万円(児童手当を充当しつつ上乗せ)
iDeCo:家計に余裕が出てから検討


パターンB(変額保険1本)の場合


変額保険(死亡・高度障害・三大疾病でP免、運用継続型):月3〜4万円程度
NISA:家計に余裕があれば別途上乗せ
iDeCo:家計に余裕が出てから検討


進学時にまとまった資金が必要なタイミングで相場が悪い場合は、無理に売却せず、奨学金で一時的につなぐ選択肢も準備しておくと安心です。

まとめ

子育て世帯にとっての優先順位は、
(1)万が一に備える保険で土台を作り、
(2)教育費という明確な目的にはNISAを中心に充て、
(3)家計に余裕が出てからiDeCoで老後資金を上乗せする、という順番が基本になります。

「うちの場合、パターンAとパターンBどちらが向いている?」「保険はいくら必要?」といった疑問がある方は、お気軽にご相談ください。お子さんの年齢や教育方針、世帯収入をお伺いしながら、無理なく続けられる配分を一緒に考えていきましょう。