住宅ローン、金利上昇への対策で知っておくべきこと
変動金利、上昇するの?
長らく政策金利が0近傍に据え置かれていたこともあり、超低金利がつづいていた住宅ローンの変動金利。ところがインフレ(物価上昇)を抑え込むべく、周辺国(主にアメリカ)が政策金利を引き上げたことの煽りを受け、ついに日銀も事実上の利上げに踏み切りました。
すぐに影響が出ることは考えづらいですが、上昇の兆しはすでに出ています。
住宅ローンの金利は、固定金利の方が先にあがります。固定金利は10年程度先の金利を見据えて貸出金利を決めるからです。そしてすでに固定金利のフラット35は、融資率9割未満の適用金利(9割超だと高くなる)で2%近くにまで上がっています。令和3年9月時点に比べると、令和5年3月の金利は00.7%も上昇しています。借入金額1000万円当たり月々4千円程度返済額が高くなる計算です。4000万円ローンを組むと、月々の返済額が約16000円も高くなるわけですから、電気代や食費も上がっている中、家計はかなり大きな影響を受けます。
先に述べた通り、固定金利は10年程度先の金利を見越して決まっています。つまり変動金利も今後上がってくるということです。
すぐに影響が出ることは考えづらいですが、上昇の兆しはすでに出ています。
住宅ローンの金利は、固定金利の方が先にあがります。固定金利は10年程度先の金利を見据えて貸出金利を決めるからです。そしてすでに固定金利のフラット35は、融資率9割未満の適用金利(9割超だと高くなる)で2%近くにまで上がっています。令和3年9月時点に比べると、令和5年3月の金利は00.7%も上昇しています。借入金額1000万円当たり月々4千円程度返済額が高くなる計算です。4000万円ローンを組むと、月々の返済額が約16000円も高くなるわけですから、電気代や食費も上がっている中、家計はかなり大きな影響を受けます。
先に述べた通り、固定金利は10年程度先の金利を見越して決まっています。つまり変動金利も今後上がってくるということです。
「変動金利でも上がらない」と聞いてたのに
お読みの方の中には、住宅販売業者や、住宅販売業者に紹介されたFPから「変動金利は日本が政策で決めている。日本の景気がよくならないと金利は上がらないから、事実上金利が上がる心配はありませんよ」と説明を受けて、変動金利を選択した方もいらっしゃると思います。彼らも嘘をついて騙したつもりはなかったと思いますが、結果そうなってしまいました。
変動金利が上昇しない前提で住宅ローンを組み、毎月すでにぎりぎりのやりくりをされている家庭もあるでしょう。
先にも述べたように、固定金利は変動金利よりも先にあがっているため、今から固定金利に乗り換えることも正直手放しで推奨できるわけではありません。
住宅ローンの範囲でできることは繰り上げ返済の予定を早めて、残債を圧縮することぐらいですが、問題はそのための資金をどうやって準備するかです。
変動金利が上昇しない前提で住宅ローンを組み、毎月すでにぎりぎりのやりくりをされている家庭もあるでしょう。
先にも述べたように、固定金利は変動金利よりも先にあがっているため、今から固定金利に乗り換えることも正直手放しで推奨できるわけではありません。
住宅ローンの範囲でできることは繰り上げ返済の予定を早めて、残債を圧縮することぐらいですが、問題はそのための資金をどうやって準備するかです。
繰り上げ返済資金をいかに準備するか
住宅ローン金利上昇に対する対抗手段でほぼ唯一の手段は、残債の圧縮、つまり住宅ローンの返済していない分の金額を少しでも小さくすることです。
問題はどうやって繰り上げ返済の資金を準備するかのなのですが、すでに手元に十分な資金がない場合、これから積み立てて準備するしかありません。
しばらくは住宅ローン金利上昇との闘いと並行しながら、繰り上げ返済資金を作っていくことになります。
以下二つの要件を満たさなければなりません。
①すでに圧迫された家計から捻出するため、極力少額で始めなければならない。
②金利の上昇を、積立金利が上回っていなければならない
①の理由はイメージつくかと思います。
②はなぜかというと、
例えば銀行預金で積み立てていった場合です。普通預金の金利は現在0.001%です。一方変動金利住宅ローンは現在低くても0.3%程度です。銀行預金に限らず、積み立てていくお金に対してつく金利が、住宅ローン金利を下回っている限り、常に積み立てたお金は住宅ローンの残債に対して目減りし続けてしまいます。
積み立てているお金が金利の力で膨らむスピードより、住宅ローンが金利の力で膨らんでしまうスピードの方が大きいからです。
これでは苦しくなるばかりです。
問題はどうやって繰り上げ返済の資金を準備するかのなのですが、すでに手元に十分な資金がない場合、これから積み立てて準備するしかありません。
しばらくは住宅ローン金利上昇との闘いと並行しながら、繰り上げ返済資金を作っていくことになります。
以下二つの要件を満たさなければなりません。
①すでに圧迫された家計から捻出するため、極力少額で始めなければならない。
②金利の上昇を、積立金利が上回っていなければならない
①の理由はイメージつくかと思います。
②はなぜかというと、
例えば銀行預金で積み立てていった場合です。普通預金の金利は現在0.001%です。一方変動金利住宅ローンは現在低くても0.3%程度です。銀行預金に限らず、積み立てていくお金に対してつく金利が、住宅ローン金利を下回っている限り、常に積み立てたお金は住宅ローンの残債に対して目減りし続けてしまいます。
積み立てているお金が金利の力で膨らむスピードより、住宅ローンが金利の力で膨らんでしまうスピードの方が大きいからです。
これでは苦しくなるばかりです。
繰り上げ返済資金は、住宅ローン金利に負けてはいけない!
上記に述べたように、「とりあえず銀行で貯金しておこう」はもはや「とりあえず」の無難な手段にはなりません。単純な算数の問題です。借りた金利よりも安い金利でお金を積み立て運用しても、どんどんお金が目減りしていってしまいます。
だからこそ、お金をどの金融商品で積み立てるかは決定的に重要なのです。
だからこそ、お金をどの金融商品で積み立てるかは決定的に重要なのです。
今話題の金は?
今ニュースで金が過去最高値を更新したと話題になっています。米国のシリコンバレー銀行破綻に端を発した銀行そしてお金そのものへの信用不安から、金をはじめとした貴金属に注目が集まっています。
ですがこれは冷静に考えなければいけません。金の価格は1802年からの200年余りで、わずかに4.5倍にしかなっていません。年平均でわずかに0.7%の上昇です。住宅ローンを変動金利で、0.7%前後の金利で借り入れている方も多くいらっしゃると思います。
金の価格は単に需給関係で決まっています。今回のように金融不安が高まると価格が上がり、逆に株式相場が強気になると、魅力が薄れて手放す人が増え、価格が下がります。
売りたい人と買いたい人のバランスで価格が決まっているだけなので、住宅ローン金利上昇リスクに対する対策にはほとんどならないでしょう。
ですがこれは冷静に考えなければいけません。金の価格は1802年からの200年余りで、わずかに4.5倍にしかなっていません。年平均でわずかに0.7%の上昇です。住宅ローンを変動金利で、0.7%前後の金利で借り入れている方も多くいらっしゃると思います。
金の価格は単に需給関係で決まっています。今回のように金融不安が高まると価格が上がり、逆に株式相場が強気になると、魅力が薄れて手放す人が増え、価格が下がります。
売りたい人と買いたい人のバランスで価格が決まっているだけなので、住宅ローン金利上昇リスクに対する対策にはほとんどならないでしょう。
世界株式と投資対象とした投資信託しかない
極力少額から始めることができ、住宅ローン金利(とその上昇)に打ち勝ち続けることができる唯一のツールが、やはり世界株式を投資対象とする投資信託なのです。図はモーニングスターの先進国株式インデックスです(Morningstar Developed Market Index 日本除く(円建て)2000年1月1日~2020年12月31日、これらの数値はあくまで過去の実績であり、将来を約束するものではありません。また手数料、コスト、税金等コストは含まれておりません。©一般社団法人経済教育支援機構)。
20年余りで3.8倍以上になっていることがわかります。金の200年で4.5倍からすると異次元の資産形成機能です。
世界株式(先進国株式でも、新興国を含めてでも構いません)インデックスの伸びは、長期的に一貫して6~7%のリターンを提供し続けています。図の20年間で、ITバブル崩壊やリーマンショック、チャイナショックやコロナショックなどの大きな景気後退がありましたが、その後必ず反発し、揺り戻しがかかって結果的に長期では6~7%のリターンに落ち着きます。「平均への回帰」という現象です。平均年率6%のリターンで20年間毎月3万円を積み立てたとすると、積立元本720万円で、約1386万円と倍近くになります。住宅ローンの金利が6を超えることは、日本ではさすがに考えづらいでしょう。この方法であれが、将来の繰り上げ資金対策として十分機能します。
そしてこれは特殊なスキルも知識も運も必要ありません。必要なのは、始める行動力、続ける忍耐、そして時間です。
20年余りで3.8倍以上になっていることがわかります。金の200年で4.5倍からすると異次元の資産形成機能です。
世界株式(先進国株式でも、新興国を含めてでも構いません)インデックスの伸びは、長期的に一貫して6~7%のリターンを提供し続けています。図の20年間で、ITバブル崩壊やリーマンショック、チャイナショックやコロナショックなどの大きな景気後退がありましたが、その後必ず反発し、揺り戻しがかかって結果的に長期では6~7%のリターンに落ち着きます。「平均への回帰」という現象です。平均年率6%のリターンで20年間毎月3万円を積み立てたとすると、積立元本720万円で、約1386万円と倍近くになります。住宅ローンの金利が6を超えることは、日本ではさすがに考えづらいでしょう。この方法であれが、将来の繰り上げ資金対策として十分機能します。
そしてこれは特殊なスキルも知識も運も必要ありません。必要なのは、始める行動力、続ける忍耐、そして時間です。
住宅購入前から始められるのがベスト
とはいえ、やはり時間がかかるのは事実です。一朝一夕に解決することはでいきません。自宅を購入するかどうかにかかわらず、世界株式を投資対象とした投資信託(世界株式インデックスファンドなど)に積み立て投資を始めておくことをお薦めします。住宅ローンに限らず、物価も上昇傾向が今後も続くと考えられています。物価にも打ち勝たなくてはなりません。
それに手元の資金を増やしておいて困ることなどなにもありません。積み立て投資の場合はタイミングよりも早く始める方が生成が常に良いというデータはたくさんあります。今月積み立てるのはこれから何百回と積み立てるうちのたった一回なのです。今の株式相場については気にすることなく、今日からでも始めることをおすすめします。
それに手元の資金を増やしておいて困ることなどなにもありません。積み立て投資の場合はタイミングよりも早く始める方が生成が常に良いというデータはたくさんあります。今月積み立てるのはこれから何百回と積み立てるうちのたった一回なのです。今の株式相場については気にすることなく、今日からでも始めることをおすすめします。