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高い住宅とマンション価格、住宅ローン上昇で下がる?それでも今家を買うべき?それとも待つべき?(持ち家か賃貸か)

高い住宅とマンション価格、住宅ローン上昇で下がる?それでも今家を買うべき?それとも待つべき?(持ち家か賃貸か)

個人的には、マイホームは買うべき!

家賃を払い続けるのはもったいない気もするし、賃貸だと老後の住まいを確保するのが大変だと聞くけど…
子どもが成長するにつれて今のアパートだと手狭になっていたし、これを機会に家を買おうかな...
住宅購入のきっかけは、人それぞれです。
ただいざ買おうと色々調べてみると、特に近年マンション価格は都心を中心に高止まり、住宅ローンの金利も日銀の利上げで上がっているのを目にします。
今回はそれでもマイホームは買うべきと考えている理由をお話します。

マイホーム購入における環境的要因

マイホームを買う場合、ほぼすべての人が住宅ローンを組んで購入します。
この前提において、マイホーム購入の環境的要因は二つ、
①住宅価格相場
②住宅ローン金利
です。
まずはこの2点において確認しておきましょう。

住宅価格相場

国土交通省の公表している、不動産価格指数(住宅)( 令和6年8月分・季節調整値。掲載画像参照)によれば、2009年ごろから一貫した上昇傾向が見て取れます。なかでも上昇率が大きいのがマンションで、2倍近く上昇しています。
東京都23区のマンションの平均価格は2024年1月時点でなんと1億1783万円、都心6区に限れば中古でも1億超えと、ついに大台を突破しています。
買える人は買えるんですね(笑)
要因はたくさんあると思いますが、日経電子版2月21日の記事によると主な買い手は不動産投資家や富裕層とのことです。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB209II0Q4A220C2000000/?n_cid=SNSTW005
日本の不動産は価値が高いため、海外からもお金が流れてきています。
特にお隣の中国では土地の個人所有ができないので、日本で土地を買って資産を保全しようとしている向きもあるようです。
戸建てにおいてはマンションほどの上昇率ではないものの、それでも3割近い上昇を記録しています。
(2024年後半、若干下落気味ですが)
都市部は供給が限られているうえ、人口流入があるためどうしても価格が高くなっていく傾向にあります。

住宅ローン金利

住宅ローン金利も、日銀の実質利上げが始まったことにより、上昇してきています。
実質利上げというのはどういうことかというと、実際のところ、日銀が「今日から金利を何%にします!」と金利を決めているわけではありません。
「誘導目標」を決めたうえで、市中の取引に介入して、目標金利か付近に留めている、というイメージです。
もともとは誘導目標金利からの乖離を±0.25%までしか許さなかったのが、±0.5まで許容するということに変更されました。
これによる金利に上昇圧力があれば(あったから変更したのですが)、+0.5まで上がることになるため、実質は利上げしたことになります。
実際、ずっと基準金利が2.475%に張り付いていた変動金利ですが、ついに2024年10月2.625%に0.15%上昇しました。
変動の基準金利が動いたのは、2008年12月、あのリーマン・ショックの未曽有の大暴落で利下げして以来のことです。

住宅ローン金利、まだ上がる可能性は?

結論から言うと上がる可能性が高いといえます。
なぜかというと、そもそも今の超低金利状態は、本来未曽有の不景気を乗り切るための一時的な政策であったにも関わらず、15年以上も続いている異常事態だったからです。
前日銀総裁の黒田さんが異次元緩和をしていた理由も、金利を上げる土壌を作るためです。
なぜなら、次に大きな不況が来た時、利下げする余地がなければ景気対策のための打つ手がないからです。
いざという時のために、金利引き下げの「のりしろ」が必要なのです。
よって、基本的に今後も金利は上昇圧力がかかり続けることになり、結果住宅ローン金利の上昇余地もあることになります。

既に住宅を買った人にも関係する変動金利上昇

変動金利に関しては、すでに変動金利住宅ローンを組み、住宅を買った人にも影響があります。
「それなら今のうちに固定金利に借り換えしようかな」と思われる方も入らっしゃると思います。
ただ基本的に住宅ローンの固定金利は10年程度先の金利を見越して金利がつけられています。
変動金利が上昇する前にすでに固定金利は上昇しているため、変動金利が上がってからでは遅いのが現実です。

環境的には不利に見えても、なぜ住宅が「買い」なのか

住宅価格相場の上昇、住宅ローン金利も上昇と、住宅購入は見送るべきような条件を述べてきましたが、それでも私は住宅は買うべき後考えています。
ただもちろん条件はあります。
これからその条件と、理由を述べていきます。

物価は今後も上昇する宿命にある

まず第一に、物価というものは長期的に上昇し続けるものであり、住宅も例外ではないということです。
家を建てるには資材が必要ですし、人件費もかかります。
GDPがほとんど成長していない極めて例外的な国に住んでいるため、なかなか感覚がないかもしれませんが、世界の経済は成長を続けており、物価は上昇を続けます。
世界規模では人口が増え、住む家もそれに応じて建てられ増えるわけですから、資材調達のコストも当然上がります。
買い手が増えるとモノの値段は上がりますから。
物価が上がると、労働者の生活水準を維持するために給料、人件費も上がります。
それらは当然住宅価格の上昇を招きます。
将来から見れば、今買う方がまだ安いはずだと言えるでしょう。

まだまだ金利は低水準

次に、住宅ローン金利も、上がったとはいえ、まだまだ低水準です。
変動金利で家は、表面金利(基準価格から、金利割引が入り、実際適用される金利)は最優遇で0.5%を切っていますし(2024年12月)、フラット35(固定金利。頭金を10%以上入れた場合)は1.860%と高くはなってきましたが、2012年より前は2%を超えていたことを考えると、まだ許容範囲ではないでしょうか。

住宅価格や金利より、「日本円の価値低下」を心配せよ

まだまだ住宅は「買い」だと思う理由は、日本も本格的に物価上昇の局面に入りつつあることによります。
そして物価上昇リスクの最大の対策は「実物を持つ」ことです。
住宅とは「住む」ためのものです。
賃貸で住んでいても、物価が上昇すれば当然賃料は上がっていきます。
物価が上昇した分、賃金も上昇してくれれば、別にそれでもかまわないでしょう。
ただ実際、日本の実質賃金は低下が続いていました。
1997年を基準(100)とした場合、現在の実質賃金は90まで下落しているとされています。
働いて得る賃金でこの有様、年金は推して知るべしです。
GDP成長率に関する最新の情報を見ても、2024年7-9月期のデータによると、前期比でマイナス成長。
年率換算では1.5%のマイナス成長となり、この期間の実質GDPは2024年の第2四半期から減少しています。
こんな先進国は他にありません。
経済の停滞は、日本の通貨である円の地位の低下を招きます。
「家を持っている」ことは、長い目で見て大きなアドバンテージとなると考えています。

住宅は住むもの。資産価値よりも大切なこと。(投機マネーの流れる都心は例外)

住宅購入を検討する際、大切なのは資産価値ではないと考えています。
家を買う理由は「子供が大きくなって手狭になったから」「家賃を払うのがもったいないから」「子供に『地元』を作ってあげたいから」など人それぞれです。
大切なのは、「必要な時に家がある」ことではないでしょうか?
気に入って住み続けられるなら、売却時の価値のことなど考える必要はないわけです。
サブスク文化が流行り、低コストで必要なものを必要な時だけ調達できるようにはなりましたが、「私有財産」は自由民の沽券です。
ただ東京都心などの物件に関しては、投機の対象としてお金が流れ込むので、価格の変動が大きくなり、買うタイミングが難しくなります。
一般の方には手の届かない価格になっていることも多いので、あまり気にすることではないかもしれませんが…

いつの時代も「持ち家」が正解。ただ対策は必要。

以上述べてきたことから、私は持ち家に賛成です。
いつ欧米のように年率5%を超えるようなインフレになるとも限らないのです。
欧米、カナダでは学生が家賃を払えなくなったり、家賃が高すぎて、遠くの実家から飛行機で通学するなんて話も聞きました。
資本主義は物価上昇が宿命です。
だからこそ、いつの時代も持ち家が正解なのです。
ただ物価が急激に上がる局面では、物価を沈静化させるために利上げが行われます。
当然住宅ローン金利上昇を招くため、繰り上げ返済の対策をしておいた方が良いでしょう。
お薦めは変動で借りた場合、固定金利で借りた場合との差額を新NISAなど投資信託で積み立てておくことです。
その余裕がもしなかったら、検討する物件の価格を下げるべきでしょう。
家計を見直せば、捻出できる可能性もあります。
気になったら、ご相談ください。