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誰でもできる!資産運用の王道とは

誰でもできる!資産運用の王道とは

誰でもできる!資産運用の王道とは

前回のブログで詳述できなかった、資産運用の王道、「投資信託」について2回に分けて解説していきます。
今回はなぜ投資信託こそが資産運用の王道なのか、そして守るべき基本的なルールについてお話します。

「投資」と「投機」のちがい

日本語ではよく似ていますが、「投資/investment」と「投機/speculation」は別物です。英語で見ると全然違いますよね。
皆さんが一般的にイメージされるもの、また本屋さんに並んでいる書籍や巷にある儲け話はそのほとんどが「投機」についてのものです。投機を意味する「speculation」は「不確かな情報に基づく推測」という意味もあります。つまり「将来きっとこうなるだろう」という予測に基づいて買ったり売ったりする行動のことです。「この土地は将来値上がりしそうだ」とか、「この仮想通貨はきっと高い値が付くはずだ」といって安いうちに買って高くなったら売るという、短期売買差額で儲けようとする行動がわかりやすいでしょう。しかし過去の実績や経験に基づいて将来を確実に予想することは、神ならでは不可能です。このことはすでに多くの学説に裏でけられています。端的に言えば、「投機」に勝つための必要要素は「運」です。「運」任せである以上、「投機」はギャンブルに近いといえるでしょう。もちろんやりたければ止めませんが、将来のための大事な資産を確保するためには絶対にやってはいけないことです。
それに対して「投資」とは、短期的な変動は気にせず、長期の視点で時間をかけてゆっくりお金に成長していってもらう方法です。短期的には予測できないことも、長期的な傾向は掴むことができます。理由は後述しますが、そのおそらく世界唯一のものが、世界の株式市場の長期的な成長なのです。ですから、世界の株式市場に長期的な視点で投資をすれば、だれでも成功することができるのです。

資産とはなにか

もう一つ「投資」というものを理解するための要素として、「資産」の定義は外すことができません。
「資産」とは文字通り「資を産む」もの、つまり保有しているだけで将来現金を産み出し続けてくれるもののことです。
これは非常に重要な要素です。なぜなら将来いくらの現金をどれくらいの期間産み出してくれるのかによってしか、その「資産」の価値を図る尺度が存在しないからです。端的に言えば、「資産」の価値は必ず数値で表すことができます。
皆さんが投資するのはこの「資産」でなくてはなりません。
たとえば、皆さんが商業ビルのオーナーだとしましょう。毎月テナントさん達がオーナーである皆さんに家賃を払ってくれます。この毎月払ってもらえる家賃収入こそが「資を産む」機能であり、その金額こそが皆さんの保有している商業ビルの資産としての価値なのです。もしこの商業ビルを売却するときは、この家賃収入の金額に基づいて、買い手との交渉をすることになります。(頭金をある程度用意できる状況でないと、個人の方の不動産投資はおすすめしません。個人がおこす借り入れの額としては大きすぎること、場合によっては住宅ローンが組めなくなるからです。)
「資産」に当てはまらない例として、「金」と「仮想通貨」を見てみましょう。「金」をはじめとする貴金属は、保有しているだけで現金収入を産み出してはくれません。持っている「金」の相場が上がることで、買った時より高く売れて利益を出すことができるかもしれませんが、これはあくまで皆さんが買った金額より高い金額で、皆さんの「金」を買ってもいいですよという人がいればの話です。つまり「金」の価値は完全に需給関係によって決まります。値段はあくまで今の値段であり、厳密には「資産」とは定義できません。あくまで貨幣とは違う、現物としての値打ちなのです。
「金」など貴金属はまだ実物があるので激しい値動きは置きづらいですが、「仮想通貨」はどうでしょう。
「仮想通貨」も持っているだけで現金収入を産み出してはくれません。こちらも完全に需給関係で値段がきまります。その上現物がなく価値の根拠が流通しているかどうかという信用しかないため、とんでもない値動きをします。「仮想通貨」も価値を数値で表すことができないのです。
価値を数値であらわることができないものは「投資」する対象にはなりえません。

投資信託とは?

ではこれからなぜ私が投資信託をお勧めするかをお話しします。
投資信託(イギリス英語investment trust。まんまです)の特徴を箇条書きにすると、
①みんなでお金を出し合って大きなまとまった資金をつくり、
②そのお金の運用をプロに任せ、
③出た利益を自分がお金を題した割合に応じて受け取れる
こんな感じで理解いただければよいと思います。
みんなでお金を出し合うので、アメリカでは「mutual fund(相互基金)」といいます。なので投資信託をファンドと呼ぶこともあります。
細かい運用はプロに任せることになるのですが、どの投資信託を買うかを選ぶことによって、自分のスタイルに合った運用先を選ぶことができます。
例えば、日本やアメリカといった国を決め、その国の企業限定で投資する投資信託(日本株式ファンド、米国株式ファンド)や、国を絞らず世界の企業に投資する投資信託(世界株式ファンド)、また業種を絞った投資信託(インターネット関連銘柄限定、宇宙産業関連銘柄限定など)もあります。投資対象は株式だけではなく、国債や公社債といった債券を組み入れたファンドや、投資不動産を対象としたREITと呼ばれる商品も存在します。
たくさんあるので迷うと思いますが、相当詳しくならない限り買うべき王道の商品は決まっていますので、後ほどご紹介します。

投資信託は投資対象になりえるのか?

さきほど「資産」としての価値の根拠がなく、数値で評価できないものは投資対象になりえないとお話ししました。では投資信託はどうなのでしょう?
ここでは株式投資信託を例にとります。日本では学校で習わないので仕方のないことですが、株式については結構誤ったとらえ方をされている方が多くいらっしゃいます。その誤解とは、人気投票で価格が決まるというイメージです。
知っていただきたいのは、株式には価値の根拠があり、価値を数値で表すことができるということです。
投資家が株式を保有するインセンティブは2つです(株主優待はちょっと性質が違います)。
①配当をもらうこと(インカムゲイン)
②売買差益でもうけること(キャピタルゲイン)
です。おそらく②のイメージが強いので前述のような誤解があるのでしょう。
株式の価値は①で考えるとわかりやすいです。

企業の利益こそが株式の価値の源泉

株式を買うというのは、その株式を発行している企業に出資する、またはオーナーになるということになります。
株式は債権のように元本の償還が約束されているわけではありません(債権も発行元がつぶれると紙切れになりますが)。
企業が利益を上げ続けることができれば株価は上昇しますし、逆に赤字続きだと株価は下がり、破綻すると紙切れになります。
これが株式わかりやすいのリスクです。
企業はこのリスクをとってくれる株主に対し、その年に出た利益(経費や返済、内部留保を除いた純粋な利益余剰金)から配当を支払います。株式とは企業の利益から配当をもらう権利なのです。不動産オーナーでいうところの家賃収入ですね。つまり持っていれば配当金という現金を産み出してくれるので、株式は「資産」の定義に当てはまります。
そして株式の価値とその根拠とは、1株当たりいくら配当金がもらえるか、そして配当金の原資となる企業の利益だということです。
これは非常に重要なポイントです。世の中で一番お金を稼いでいる人たちは、ハリウッドスターでもメジャーリーガーでもありません。自分で起業して、その企業の株式を自分持っている会社経営者です。会社経営で成功するには才能も人脈も運も必要です。だれでもできるわけではありません。しかしその素晴らしい天恵を得た人たちが会社経営で稼ぎ出す莫大な利益を、その企業の株式を持つことで配当というかたちで享受することができるのです。すごい仕組みですよね!これが株式の魅力です。

問題はどの企業が利益を出し続けてくれるか見極めること

ただ最も難しいのは、どの企業が利益を出し続けてくれるか見極めることです。そして株価には将来の利益の期待値という要素も反映するため、今の株価が適正なのか、あるいは高すぎたり安すぎたりするのか判断するのはプロでも非常に難しいのです。まして個人投資家には不可能と断言してもよいでしょう。このことも多くの学説が証明しています。将来のことなど、神しか知らないことなのです。コロナ騒動がよい例でしょう。
そこで登場する最も簡単な方法は、世界の優良上場企業の株式全部に投資してしまうという大胆な発想です。とんでもない金額になりますが、みんなでお金を出し合う投資信託ならではの方法と言えます。人口増加や技術革新に伴って世界経済は成長を続け、株式市場も短期的な上下はありますが、長期的には右肩上がりの成長を続けています。人口増加で消費が増えれば、グローバルなマーケットで展開する企業の利益が成長することは想像に易いでしょう。株価は長期的には企業の利益成長に伴って伸びていきます。世界の上場企業の株式全部に投資をしておけば、この世界経済の成長に投資するのに等しい行為ですから、皆さんの資産も自然と成長していってくれるというわけです。これが「世界株式インデックスファンド」というジャンルの投資信託に投資することで可能になります。これこそが世界で唯一誰でもみんなが成功できるプラスサムゲーム、投資の王道なのです。

「インデックスファンド」とその投資方法について

こちらについては次回解説します。
「インデックスファンド」とは何か、そして株式投資の怖さである価格の上下を味方にする「積み立て投資」についてお話します。