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認知症での資産凍結のリスクと生命保険の有効性

認知症での資産凍結のリスクと生命保険の有効性

認知症と資産凍結

認知症は日本の高齢者社会において避けて通れない問題の一つです。今や65歳以上の人口の約4人に1人が認知症であると言われています(平成23年厚生労働省調べ)。認知症が進行すると、個人としての判断能力が低下し、財産管理が難しくなるため、金融機関はその個人の資産を保護するために口座を凍結する場合があります。この「資産凍結」は、認知症の方自身やその家族にとって大きな負担となることが多いです。

資産凍結の背景

認知症になると、なぜ本人の資産凍結がなされるかですが、大きく分けると次の2点です。

まず第一に、判断能力の低下です。
認知症になると、財産に関する正しい判断が難しくなったり、詐欺や悪質な商法の被害に遭うリスクが高まります。そのため、銀行は預金口座やその他の金融資産を凍結し、保護する手段を講じます。
第二に、家族による不正利用の防止です。
家族間でも、認知症の親の資産を不適切に使う可能性があることから、金融機関は慎重に口座の管理を行います。

資産凍結の影響

次に認知症患者の資産凍結による影響を見ていきましょう。
まずは生活費の支出困難が困難になる可能性があります。
年金や定期預金が口座に振り込まれていても、生活費として引き出すことができなくなるからです。
次に介護費用の負担の問題です。
介護が必要になった場合、その費用を本人名義の資産から捻出することができず、家族が負担する必要が出てきます。
また不動産や投資している資産の管理が困難になります。
認知症の進行により、所有不動産の売却や投資信託の運用ができなくなることもあります。

認知症対策としての生命保険の有効性

ここで注目したいのが、生命保険の役割です。生命保険は、認知症による資産凍結のリスクを軽減する一つの手段として大変有効です。
その理由を説明します。

認知症対策としての生命保険の利点

主に下記に上げる3点があると言えるでしょう。

①凍結リスクからの保障
生命保険会社の定める所定の認知症や、国の定める公的基準に該当すると(要介護1または2)、保険金を受け取れる商品があります。本人の判断能力のあるうちに加入しておくと、被保険者の判断能力が低下しても、受取人(通常は家族)が保険金を受け取ることができます。
また上記の状態に該当すると、あらかじめ指定した指定代理人が、被保険者本人に代わって給付の請求などを代行できる商品もあります。
これにより、介護費用や生活費の確保が可能です。
②早期の準備が可能
認知症の診断が出る前に、生命保険に加入することで、将来のリスクに備えることができます。特に、認知症専用の保険商品は、診断後に一時金や年金が受け取れるオプションを提供している場合があります。
③遺産分割の簡素化
生命保険の保険金は通常、遺産とは別に受け取れるため、相続手続きが煩雑になることを防ぎます。

具体例

具体的な例をもって説明します。
まずは認知症保険です。
一部の保険会社では、認知症の診断時に一定の保険金を支払う「認知症保険」を提供しています。
これは、認知症による資産凍結後でも、介護や生活費に充てる資金を確保することが可能です。

また所定の介護状態で給付が受けられるものもあります。
要介護1や2といった、介護が必要な状態になったときに、一時金や年金を受け取ることができる保険です。これにより、介護費用を親の資産に依存せずに準備ができます。

遺産はいらない。でも介護のために手出しは避けたいという人に最適。

親の遺産をあてにはしていなくても、住宅ローンや子供の教育費もあるし、介護のために現役世代が介護費用等を負担するのはなかなか厳しいところかと思います。
ご紹介したような生命保険を活用すれば、いざというときに手出しの必要がなく、現役世代の方もご自身の生活を守れます。

生命保険に加えて検討すべき対策

認知症による資産凍結に備え、他にも事前に検討すべき対策があります。

①家族信託
認知症になる前に、信頼できる家族に財産管理を託す「家族信託」を検討することで、資産凍結を防ぐことができます。これは、認知症後の資産管理を事前に決めておく方法です。

②任意後見制度
判断能力が低下する前に、任意後見人を選定しておくことで、後見人が本人の代わりに財産管理や契約を行います。

③法定後見制度(補助、保佐、後見)
認知症が進んだ後でも、成年後見人を選任することで、凍結された資産を解除し、必要な支出に使うことができます。しかし、この手続きは時間がかかり、即時対応は難しいです。

また後見制度を利用する場合、家庭裁判所が選定するため、家族であっても必ずしも後見人に選定されるとは限らず、弁護士や司法書士といった専門家が選ばれることもあり、この場合は毎月ランニングコストがかかります。(概ね毎月2~6万円程度)
その点保険は必要な保険料の負担だけで済みますし、一時払い系の商品であれば、解約返戻金でそのコストも回収できることもあります。

まとめ

認知症による資産凍結は、個人の生活や家族の介護負担に大きな影響を与えます。しかし、生命保険や家族信託、任意後見制度などの利用により、そのリスクを管理し、安心して生活を送るための準備をすることが可能です。
特に、生命保険は判断能力が低下する前に加入することで、その後の生活を支える大きな助けとなります。
認知症が身近な問題となる現代社会では、このような対策を事前に検討することが非常に重要です。

このような準備の重要性を理解し、具体的な行動を起こすことで、認知症という不確定要素に対する備えができ、家族全体の安心につながるでしょう。
より具体的な対策や、保険商品については、ご相談ください。