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日本の奨学金金利上昇の影響と対策:子どもの進学を考える親御さんへ

日本の奨学金金利上昇の影響と対策:子どもの進学を考える親御さんへ

金利上昇の影響は奨学金にも

こんにちは、ファイナンシャルアドバイザーの萬實赳志です。今日は、最近話題になっている日本の奨学金金利の上昇についてお話しします。この記事は、主に今後お子さんの大学進学を控え、奨学金利用を検討している親御さん向けにまとめました。奨学金は子どもの教育を支える大事なツールですが、金利の上昇で返済負担が増える可能性があります。背景から影響、具体的な対策までをお話します。

奨学金金利上昇の背景

まず、日本の奨学金制度を簡単に振り返りましょう。主な奨学金は日本学生支援機構(JASSO)が提供するもので、無利子の第一種と有利子の第二種があります。第二種は月額2万円から12万円(私立大学の場合)まで借りられ、多くの家庭が利用していますが、ここに金利がかかります(学部・区別による違いや改訂に注意)。金利の決定は、固定は貸与期間終了時点の利率が適用される方式で、変動方式は一定の間隔で利率が見直されます(詳細はJASSOの各方式説明を参照してください)。
日銀の金融政策変更が影響を与えています。2024年3月にマイナス金利政策を解除した日銀は、2025年12月には政策金利を0.75%まで引き上げました。

これにより、長期金利が上昇し、奨学金の金利も連動して上がっています。例えば、第二種の固定金利方式では、2020年3月の0.07%から、2025年3月には1.641%まで上昇しました。

変動金利(利率見直し方式)も同様で、5年ごとに見直され、市場金利の上昇でさらに負担が増す可能性があります。上限は3%ですが、近年は急上昇傾向です。

この上昇は、コロナ禍後の経済回復やインフレ対策によるものです。親御さんとしては、お子さんが高校生の今、4年後の卒業時の金利を予測しにくいのが悩みどころです。

金利上昇の影響:子どもの将来に及ぶ負担

金利が上がると、どんな影響が出るのでしょうか。まず、経済的な面から見てみましょう。仮に大学4年間で月6万円(総額288万円)を第二種で借り、20年返済する場合をシミュレーションします。2020年の低金利(固定0.07%)なら総返済額は約290万円ですが、現在の1.641%では約320万円に増えます。

月々の返済額も1万円前後から1万2000円以上に。変動金利を選べば、将来的に金利が3%近くまで上がると、総額はさらに350万円超になる可能性があります。この負担は、子どもの社会人生活に直撃します。返済が始まる20代は、就職、結婚、出産のタイミング。奨学金返済が月1万円増えるだけで、家賃や生活費を圧迫し、「結婚や子どもを考えられない」と感じる若者が増えています。

実際、奨学金利用者の延滞率は一時上昇しましたが、最近の金利高で再び懸念されています。心理的な影響も大きく、子どもの貯蓄意欲が低下したり、進路選択に保守的になったりするケースが考えられるでしょう。
親御さんへの影響も無視できません。お子さんが返済に苦しめば、親が肩代わりする「親子二重債務」のリスクがあります。全体として、少子化加速の要因にもなりかねません。

特に、低所得世帯では教育格差が拡大する恐れがあります。

事前準備が最大のキーポイント

教育資金、今回は奨学金ですが、これもやはり事前準備が最大のキーポイントです。

対策1:奨学金選びの工夫

金利上昇への対策として、まず奨学金の選び方を工夫しましょう。第二種を利用する場合、金利方式の選択が鍵です。固定方式を選べば、卒業時の金利で固定され、将来の上昇リスクを避けられます。在学中なら方式変更が可能です。

変動方式は低金利時代に有利ですが、今は上昇局面なのでおすすめしません。可能なら、無利子第一種や給付型奨学金を優先したいところです。給付型は返済不要で、住民税非課税世帯や多子世帯が対象ですが、2025年度から多子世帯の年収要件が緩和され、利用しやすくなりました。

お子さんの学力基準を満たせばチャンスです。JASSOのサイトでシミュレーションを活用しましょう。

策2:返済負担の軽減策

返済が始まってから負担を感じたら、JASSOの制度を利用できることがあります。
減額返還制度で返済期間を延長する代わりに月額を半分に減らしたり、所得連動型返還なら、収入に応じて調整されます。猶予制度もあり、失業時などに活用できます。

また、企業や自治体の支援が増えています。地元就職で奨学金返済を補助する自治体は816市区町村に拡大(2024年度)しており、 企業も、福利厚生として返済支援を導入するところが増え、就職先選びのポイントのひとつになりえます。

対策3:親の事前準備

とはいえ、事後対応だと選択肢が限られたり、負担を先延ばしにしている点は否めません。
やはり、時間をかけて事前準備するに越したことはないのです。
住宅ローンと同じで、金利を負担する方だけになると、大変です。
まずはできれば奨学金を利用しなくても済むよう、しっかり貯蓄を始めましょう。
ただ昔のように現金貯金や学資保険では有効な手立てとは言えません。
NISA積み立て枠の利用や、変額保険での積み立てをお勧めします。

商品選びを間違えなければ、奨学金の返済金利以上の運用を目指せます。
またしっかり増えてくれれば、目の前の積立額の負担も小さくて済みます。

奨学金は「運用期間を確保するため」に利用する

一方で、投資信託や変額保険はどうしても市場変動の影響を受けます。
いざお子さんの進学時に相場が大きく下落していた場合、不足が生じる可能性があるからです。

そこで私が良くアドバイスする方法です。
それは、「いったん奨学金を借り、在学中あるいは返済開始まで相場の回復を待ち、相場が回復した時点で返済資金をお子さんにわたす」というものです。

商品選びを間違えなければ、時間が経てば下落分が回復、またそれ以上に投資信託の価格や変額保険の解約返戻金は成長します。

その時間を稼ぐために、奨学金を利用するのです。
返済資金を後でお子さんに渡してあげれば、結果的に進学費用を負担してあげたことになり、金利負担も最小限で済みます。

結論:早めの計画で子どもの未来を守る

奨学金金利の上昇は、避けられない現実ですが、影響を最小限に抑える対策はあります。親子で話し合い、固定金利選択、無利子優先、貯蓄強化を心がけましょう。JASSOの相談窓口や、お金の専門家に相談を。子どもの進学は夢の実現ですが、借金が重荷にならないよう、今から備えましょう。