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投資の成功にモチベーションは不要

投資の成功にモチベーションは不要

成功の鍵は「淡々と続けること」

「成功にはモチベーションなんていらない。必要なのは、毎日コツコツと最低限やるべきことを続けることだ。」
そんな言葉を耳にしたことはありませんか?私はこの言葉を初めて聞いたとき、まさしく投資信託の積立投資にこそピッタリ当てはまるものだと気づいたのです。

積立投資は、華やかな一発逆転の物語ではありません。派手な成功やスリリングな展開を求める人には、物足りなく感じるかもしれません。しかし、地味に見えるその一歩一歩が、長い時間をかけて大きな成果を生み出すのです。今回は、積立投資の成功に欠かせない「習慣化」「ルーティン化」「仕組み化」の力を、具体例やデータとともに紐解いていきます。これを読めば、あなたも今日から「淡々と続ける」投資の第一歩を踏み出せるはずです。

モチベーションに頼らない:成功は「習慣」から生まれる

私たちは、成功、もしくは成功する人について考えるとき、つい「やる気」や「情熱」、「鉄をも破るような意思」を想像しがちです。「よし、今年こそ投資を始めるぞ!」と意気込んで、証券口座を開設する。でも、市場が下がると不安になり、忙しくなると放置してしまう。そんな経験、ありませんか?

モチベーションは、まるでジェットコースターのように上下します。一方、積立投資の成功は、感情の波に左右されない「習慣」に支えられています。例えば、毎月1万円を投資信託に積み立てることを決めたら、給料日に自動引き落としを設定するだけ。とにかく「考える前にやる」状態を作ることが大切です。

心理学者のB.J.フォッグは、著書『Tiny Habits』で「小さな習慣が大きな変化を生む」と説いています。積立投資もまさにその実践の場。最初は少額でもいいのです。毎月5000円、1万円といった「無理のない金額」を淡々と続けることで、投資が生活の一部になります。

ある元新聞記者さんの成功実話

励みになる実話をご紹介しましょう。
ある元新聞記者さんのお話です。
30歳の時にお嬢さんがお産まれになり、ある外国株式型の投資信託で毎月5万円の積み立てを開始しました。
お嬢さんが30歳になられたときに、積み立てていた投資信託を売却しました。積み立て元本は
月5万円×12か月×30年=1,800万円です。
さていくらになっていたでしょう?

当然NISAなんてない時代でしたが、税引き後の手取りで5,200万円になっていました。
そしてお嬢さんは結婚され、この資金を元手にマイホームを購入されたというのです。

特別なことは何もしていない

この元新聞記者の方、買っていた投資信託も特別成績が優れた商品ではありませんでした。
またやっていたことも、休まず毎月積み立てを継続していただけです。
毎朝日本経済新聞を読み(読んでいたかもしれませんが)、相場とにらめっこしていたわけでもありません。
相場の予想もしていませんし、タイミングを見ての売買もしていません。
そう、毎月自動引き落としでの積立の継続が、これだけの成果を産み出したのです。
そしてみなさん、マイホームって、現金一括で買えるものなんです。
富裕層でなくても!
金利を味方につけてお金を増やせた人は、住宅ローンを組んで、逆に「金利を払う」必要がなくなるのです。
これがお金に困る人と困らない人の差です。

ルーティン化:投資を「自動の流れ」に乗せる

習慣をさらに強固にするのが「ルーティン化」です。ルーティンとは、特定の行動を決まったタイミングで繰り返すこと。積立投資では、これを「毎月決まった日に決まった金額を投資する」と定義できます。

例えば、給料日の翌日に自動で積立設定をしておけば、「今月はちょっと厳しいからやめておこう」といった迷いがなくなります。実際、投資信託の積立は、証券会社や銀行の自動引き落とし機能を使うことで簡単にルーティン化できます。楽天証券やSBI証券といったネット証券では、100円から積立を設定できるサービスもあり、初心者でも気軽に始められる環境が整っています。

ルーティン化の効果は、データにも表れています。モーニングスターの調査(2023年)によると、積立投資を継続した投資家の平均リターンは、タイミングを計って売買する投資家よりも高い傾向にあるとのこと。これは、市場の上下に一喜一憂せず、淡々と買い続けることで「安いときも高いときも平均化」されるためです。いわゆる「ドルコスト平均法」の効果ですね。

仕組み化:失敗を防ぎ、成功を「必然」にする

習慣化、ルーティン化をさらに一歩進めたのが「仕組み化」です。仕組み化とは、投資を自分の意志や努力に頼らず、自動的に回るシステムにすること。積立投資は、まさに仕組み化の王道と言えるでしょう。

具体的な仕組み化の例をいくつか挙げてみましょう:

- **自動積立設定**:前述の通り、証券口座で毎月の積立を自動化。「NISAつみたて投資枠」を活用して、非課税枠を活用しながら自動積立が可能です。

- **予算管理アプリとの連携**:家計簿アプリ(例:マネーフォワード)と連携し、積立分を最初に確保する予算を組む。これで「使いすぎて投資に回せなかった」を防げます。

- **長期視点のポートフォリオ**:例えば、全世界株式やS&P500連動のインデックスファンドを選び、短期的な値動きに振り回されない投資先を設定。

仕組み化の最大のメリットは、「失敗のリスクを減らす」こと。人間は感情的な生き物です。市場が暴落すると「もうダメだ!」と売ってしまうし、急騰すると「今買わなきゃ!」と飛びついてしまう。でも、仕組み化しておけば、そんな感情の揺れを最小限に抑えられます。

積立投資の魅力:時間と複利があなたの味方

ここまで、習慣化、ルーティン化、仕組み化の重要性を説明してきましたが、なぜ積立投資がこれほど「続けること」と相性がいいのでしょうか?その鍵は「時間」と「複利」にあります。

投資の世界には「72の法則」という有名なルールがあります。年利を72で割ると、資産が2倍になるおおよその年数が分かるというもの。例えば、年利6%なら、72 ÷ 6 = 12年で資産が倍になります。積立投資では、毎月一定額を追加することで、この複利効果がさらに加速。以下のシミュレーションを見てみましょう:

- **条件**:月3万円を年利5%で20年間積立
- **結果**:元本720万円(3万円 × 12ヶ月 × 20年)が、約1300万円に成長

この1300万円は、特別な知識や才能がなくても、淡々と続けた結果。20年という時間は長いように感じるかもしれませんが、30歳で始めれば50歳の時点でこの資産が手に入るのです。子育て、老後資金、夢のマイホーム……あなたの目標に近づく一歩になるはずです。

今日から始める「淡々とした一歩」

「成功に必要なのはモチベーションではなく、淡々と続けること」。この言葉を胸に、積立投資を始めてみませんか?最後に、今日から実践できる具体的なステップをまとめます:

1. **目標を小さく設定する**:最初は月5000円でもOK。無理のない金額で始めましょう。
2. **証券口座を開く**:ネット証券(楽天証券、SBI証券など)は手数料が安く、初心者向けのサポートも充実。
3. **自動積立を設定**:給料日後に引き落としを設定し、ルーティン化を徹底。
4. **長期視点の投資先を選ぶ**:全世界株式やS&P500連動のインデックスファンドは初心者にもおすすめ。
5. **振り返りを習慣に**:年に1回、資産の状況を確認。必要なら積立額を増やすなど調整を。

投資は、誰かの成功を追いかける競争ではありません。あなた自身のペースで、あなたの未来を築くためのツールです。モチベーションがなくても大丈夫。淡々と、でも確実に、一歩を踏み出してください。

終わりに:出口戦略も「仕組化」が大切

積立投資は、派手さはないけれど、時間を味方につける強力な方法です。習慣化、ルーティン化、仕組み化を活用すれば、誰でもその恩恵を受けられます。私のブログを読んで、「よし、やってみよう!」と思ってくれたなら、ぜひ小さな一歩を踏み出してみてください。10年後、20年後のあなたが、きっと「続けてよかった」と笑顔で振り返るはずです。

また、入口と投資継続についてお話をしてきましたが、「出口」戦略、つまり積み上げた投資信託を売却し、目的のために使う場合も、「仕組化」することが大切です。
「いつ売るのか」
「投信の基準価格がいくらになったら売るべきなのか」
「今いくらなら使っても大丈夫なのか」
投資で一番難しいのは「利益確定」の時なのです。

こちらは家庭の状況や目的によって変わりますので、ぜひ当事務所にご相談下さい。