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投資が当たり前の時代の心構え

投資が当たり前の時代の心構え

投資が当たり前の時代になった

私がファイナンシャルアドバイザーとして活動を始めた2015年に比べ、今はもはや「投資ってした方がいい??」とういう質問はほとんど聞かなくなりました。「投資したいけど、何をしたらわからない」という方だけではなく、「すでに積み立てNISAを始めているが、米国株式だけでよいのか?」といった質問が多くなってきました。7年前には考えられなかったことです。
老後年金不安や、岸田増税、経済成長やロシアや中国周辺国の地政学的リスクなどを原因とするインフレで、ますます資産運用への関心は高まるでしょう。
それに付け込んで、詐欺まがいの投資話もたくさん出で来ることと思います。これには十分注意しなければなりません。
今日は改めて当時全盛時代に生き残るための原理原則をお話しします。

「資産」について理解する

「資産」とはそもそも何でしょう?この定義を説明できる人は、実はほとんどいません。「資産運用のプロ」を名乗っている人、「〇〇で資産運用しましょう」と進めてくるセールスパーソンでもほとんど説明できません。
実はこの「資産」の定義を理解するだけで、今自分が見ているものが「資産運用」になるのかがわかります。変なものを買わされる心配がほとんどなくなるのです。

「資産」とは何か?

「資産」とは何か?
読んで字のごとく「資を産むもの」です。簡単に言うと『持っているだけで「現金」を産み出し続けてくれるもの』です。
株式を例にとって考えてみましょう。
株式を保有すること、発行元の企業から毎年配当金がもらえます。配当金とは、企業が毎年の余剰利益を株主に持ち分に応じて分配してくれるものです。株式を保有し、波高元企業が存続して利益を上げ続ける限り、毎年配当金が株式を保有しているだけでもらえるのですから、これは『持っているだけで「現金」を産み出し続けてくれるもの』、つまり「資産」に該当します。
では「金」はどうでしょう?
金は持っているだけでは毎年現金を産み出してくれはしません。あくまで買いたい人と売りたい人のバランス、需給関係で値段が決まるだけなのです。物価の上昇に応じて、ある程度取引価格は上がっていきますから、インフレ対策にならなくはないですが、インフレヘッジ以上の効果は期待できません。
ちなみに金は「金には価値がある」という共同幻想によってなりたっています。家や商業不動産といった実用的なものならわかりやすいですが、一般の人々にとっては特に使い道はありませんから、ダイヤモンドとかと似て、「金には価値がある」という共同幻想で成り立っています。希少性からくるものです。ダイヤモンドもシンジケートが価格下落を防ぐために流通量をコントロールしていますよね。ルイヴィトンやエルメスなど国際的なブランドも仕組みも似ています。
これは余談でしたが、価値に根拠があるわけではないということをなんとなく知っておいていただければとお話ししました。

「資産」に投資せよ!

投資とは「資産」にお金を「投じる」わけですから、「資産運用」は「資産」でしかできません。
ですからまず、自分が大切なお金を投入しようとしているものが「資産」かを見極める必要があります。資産の見極め方は、もう大丈夫ですよね!
リスクの許容度、および受容するリスクがリターンに跳ね返るかを見る必要があります。
リスクがリターンに跳ね返るか、とは、わかりやすい例を出しましょう。
オフショア(海外)投資信託・生命保険というものがあります。
海外の金融機関で口座を開設し、海外の金融機関の金融商品を購入するものです。
日本の金融庁の許認可を得ずに販売されtているので、真正の詐欺商品でもあります。これは論外です。
中には商品自体は日本でも買えるようなものもあります。それを「日本は金融が遅れているので日本では買えないような商品なんです」と嘘をついて販売するのですが、そもそも金融庁から営業許可を得ていませんし、嘘をついて人に買わせるのは世間では詐欺といいます。
本題に戻ると、オフショア(海外)金融商品は海外に口座を開設すること自体にリスクがあります。日本と口座を開設している国との送金ができなくなればアウト、税金の国際法上の問題、海外の金融機関の倒産は日本の法律で顧客の財産保護が図られないなど、リスクがたくさんありますが、このリスクをとることで、皆さんのお金が増えることはあるでしょうか?
ありません。
「このリスクをとることで、とらない人よりお金の増え方が倍になります!」
なんてことはないのですから。
これらのリスクはただ危険なだけです。
つまりオフショア(海外)金融商品は投資対象としてあり得ないのです。

「資産」ではある投資不動産は?

商業不動遺産などは定義上立派な資産です。ですが一般の方に不動産投資はかなり難しいでしょう。
理由は3つです。
まず第一に滅失のリスク、放火などで焼失してしまうことが代表例です。
第二に管理の問題です。不動産は適切に管理しなくては老朽化が早まったり、借主が出て行ってしまったりします。また近くに競合が出たりすると価値が下がります。
第三に適正価格が素人にはわからないことです。不動産価格は最終的には当事者間の合意で価格が決まります。もちろんキャップレートや賃料などから利回りを計算して理論値を出すことは可能ですが、株式投資信託のようにマーケットのコンセンサスである程度自動的に決まるようなものとは違います。
上手く言いくるめられて高値掴みさせられる危険があります。やるにしても証券スキームとしての間接的な不動産投資であるREITという投資信託にとどめるのがよいでしょう。

投資は株式投資信託が一番手軽で簡単

投資信託、もちろん日本国籍のファンドですが、これがなんといっても一番手軽で簡単です。
日本国籍のファンドというのは、日本の運用会社の商品という意味ではなく、日本で金融庁のの許認可を受け、日本の金融機関で販売されている商品です。普通に銀行や証券会社で口座を開けば、こういうものしか買えませんので、特段意識する必要はないと思います。
当たり前のことですが、日本の法律で保護されています。
世界の株式市場の長期的な成長に乗っかるだけの世界株式インデックスファンドを買っていれば、過去平均と比べてどうなるかはわかりませんが、成長し続けてくれることは間違いありません。オフショア金融商品のような無用なリスクを負う必要もなく、不動産のような滅失、空室、競合の登場による賃料低下といったリスクもありません。
一般の方が、株式投資信託以外の投資をする必要は全くないのです。

変額保険も活用する

これについてはまた詳しく触れたいですが、「資産運用」と「資産形成」の違いの話です。
「資産運用」は、単純に手元資金を「資産」に投入し、成長させていくものです。すでにお金持ちで、将来何があってもお金に困らないような人が単にお金を増やしたいならこれでよいですが、多くの家庭はそうではないはずです。なぜなら人生には様々なリスクがあり、事故や病気などで収入が減少して将来の積み立てどころではなくなることもあるからです。
ここで「資産形成」という考え方が大切になってきます。「資産形成」は「ありとあらゆる資金不足に備える」ことが主眼となり、単純にお金を増やす目的の「資産形成」と区別して考えています。
次回は「資産形成」についてお話ししようと思います。