BLOG ブログ

CONTACT 資金計画・金融商品のご相談

住宅ローン金利上昇リスクが現実に。その対策は?

住宅ローン金利上昇リスクが現実に。その対策は?

住宅ローン金利上昇リスクに備える時代

長らく低金利を享受してきた住宅ローン金利も、いよいよ上昇リスクの兆しができました。今ほとんどの人が頭金が不要で目前の金利が安く高い金額でローンを組みやすい、変動金利で住宅ローンを組まれています。金利上昇は即家計を直撃します。今のうちに対策できるかどうかがライフプラン防衛の要となるでしょう。本日はなぜ住宅ローン金利の上昇リスクが高まっているのか、その対策はどうするのがよいかをお話しします。(執筆中にすでに固定金利は上がり始めました)

日銀黒田総裁の発言

これまで頑なに金利を上げることはないと発言してきた日銀の黒田総裁ですが、11月2日の会見で「物価目標の実現を見通せれば、(柔軟化)緩和修正もオプションとしてあり得る」と発言しました。現在日銀は政策金利を±0.25の範囲に抑える「イールドカーブ・コントロール」を続けています。今回の発言はこの範囲を緩め、+0.25以上になることも許容する局面も想定していることになります。目下急激な円安で国民の家計が圧迫されていますが、その原因の主な一つが日米の金利差です。米国が政策金利を4四半期連続で0.75%引き上げており、まだ上げる構えを見せています。米国の長期国債10年の利回りは4%に達しており、日本より格付けも金利も高い米国債がに資金が流入、そのためドルが買われて円が売られるため、円安の進行が止まらない状況です。「Rocket high」とも表現される米国のインフレ率(消費者物価指数)は9月の総合指数で8.2%となっています。あまり金利を上げてしまうと、企業の資金調達コストが高くなり、新規の事業投資を抑制し、景気後退を促すことになるためちょうどいい塩梅に調整する必要があるのですが、FRBのパウエル議長は景気後退のリスクを押してでも、物価上昇を抑えることが先決で、まだ金利を上げる必要があると考えているようです。物価安定は中央銀行の責務ですから、致し方ないことかもしれません。さらに円安が進む要因となりうることは容易に想像できます。併せてウクライナ紛争など地政学的リスクから食料、エネルギー価格は世界的に高騰しており、貿易など国際的な決済はほとんど米ドルでしていること、日本が食料やエネルギーなど輸入に頼っていることを考えれば、これ以上の日米の金利格差拡大は放置できないと黒田総裁ですら考えるのも無理ないでしょう。

円安が悪いこととは言えない

ただ円安が悪いことかといえば、日本のように景気回復が必要な国にとっては一概にそうとは言えないのです。
1997年アジア通貨危機が起きました。当時タイや韓国、インドネシアなどアジア新興国はドル・ペッグといって、自国通貨と米ドルの為替レートを固定していました。安定しているうちはよかったのですが、米ドルが強くなるにつれて、アジア新興国通貨が分不相応に上がっていきました。ある意味通貨バブルです。これに目を付け、いずれこのバブルは予想し、先手を打ってアジア新興国通貨に大規模な売りを仕掛けたのがジョージ・ソロスです。これによりアジア通貨危機が起こり、アジア新興国通貨は大暴落しました。ジョージ・ソロスはこの下落幅で大儲けしましたが、タイ、韓国、インドネシアは破綻状態になりIMFの管理下に入りました。
韓国を例にとると、逆に自国通貨が安くなったことをきっかけに、その後の経済発展を成し遂げました。輸出が有利になるからです。経済発展には、マーケットが限られる自国だけではなく、輸出で海外から売り上げをあげてくる必要があります。自国通貨安はこの追い風になるのです。
日本も輸出企業に素晴らしい企業が多く、GDPを押し上げる要因になるため、この視点から見れば円安は歓迎すべきことです。黒田総裁もこのことはよくわかていますから、簡単には緩和修正に動けなかったのです。

これ以上の円安は放置できない??

しかしこれまね頑なだった黒田総裁が方針転換も示唆したということは、これ以上の円安は放置できない、日米の金利差がこれ以上拡大することは見過ごせないと考えているのかもしれません。こうなると日本の政策金利の利上げも現実味を帯びてきます。これはつまり住宅ローン金利の上昇の可能性を意味します。これは結構影響が大きいと考えています。
①変動金利で住宅ローンを組んでいる人が多いこと
②変動金利を組んでいる理由が今後日本の政策金利が上昇する可能性がないことが前提であること
③変動金利を組んでいる理由が目前の金利が低く、返済比率を下げやすいため、高額の住宅ローンを組むためのものであったこと
④変動金利には頭金が必要なく、フルローンで組んでいる人が多いこと
こういると、住宅ローン金利上昇が家計に与える影響は大きいと考えられます。ではいかに対策すべきでしょうか?

35年という長い期間はローンではリスク、運用にはプラス

どうしても目の前のことばかりに目が行きがちですが、住宅ローン35年の返済期間はとても長いです。お金を借りる場合、変動金利は返済期間が長くなるほどリスクは高まります。とくに今まで金利が底値で、下げ幅がない状態である場合は特にそうです。
しかし株式投資信託を使った長期の資産形成においては、35年という期間がとても強い味方になります。長期運用の力はこのブログでも何度となく述べてきましたので、改めてここではお話ししませんが、住宅ローンの金利上昇時、将来の繰り上げ返済資金確保のため、毎月少額でも積み立て投資に回していきましょう。
ただ初めてすぐには対応できません。コツコツ長く続けて初めて成果が出てくるので、今回の金利上昇ではなくあくまで将来のための備えとしてください。
とにかく今回の件は、住宅販売会社や巷のファイナンシャルプランナーが「変動金利でローンを組んでも、日本は上昇することはほとんど考えられませんよ」とミスリードしてきたことが原因だと思います。しっかりした記入知識がある人のアドバイスを受けることは、本当に大切です。

住宅ローン金利上昇リスクへの対策

では現実となった住宅ローン金利上昇への対策を考えてみましょう

繰り上げ返済資金の積み立てを

住宅ローン金利の上昇リスク対策としては、繰り上げ返済にて毎月のローン支払い負担と圧縮するのが一番、次に急場をしのぐための貯金をしておくことが考えられます。金利が上昇してから固定金利に乗り換えようとしても、固定金利の方が先を見越したきんりになっているので、すでに高くなった状態になり、この方法はとれません。残債を圧縮するほかないです、
繰り上げ返済資金をどうつくっていくかがポイントになります。私はいつも「変動金利で住宅ローンを組む場合、同じ金額を固定金利で組んだ場合の返済額とのギャップ分を毎月積み立てに充ててください」とアドバイスしています。
例えば、5000万円のローンを変動金利35年で組んだとしましょう。金利は今仮に0.7%とします。月々の返済額は134,260円です。これを仮に固定金利で35年組むと(金利1.2%とします)、月々の返済額は145,851円です。月々訳10,000円のギャップがありますね。これをいざというときの繰り上げ返済資金の積み立てに充てるだけです。繰り上げ返済できるだけの資金が確保できていれば繰り上げ返済に充て、そこまでに金額になっていなければ、毎月の支払いの金利上昇分に充てて、急場をしのぎます。
このことからわかることは、「変動金利で住宅ローンを組めば、毎月の支払いをぎりぎりやっていけるかな」という金額を住宅ローンで組んではいけないのです。固定金利でも月々払っていける金額が住宅ローンの適正値の一つの目安といえるでしょう。

35年という長い期間はローンではリスク、運用にはプラス

どうしても目の前のことばかりに目が行きがちですが、住宅ローン35年の返済期間はとても長いです。お金を借りる場合、変動金利は返済期間が長くなるほどリスクは高まります。とくに今まで金利が底値で、下げ幅がない状態である場合は特にそうです。
しかし株式投資信託を使った長期の資産形成においては、35年という期間がとても強い味方になります。長期運用の力はこのブログでも何度となく述べてきましたので、改めてここではお話ししませんが、住宅ローンの金利上昇時、将来の繰り上げ返済資金確保のため、毎月少額でも積み立て投資に回していきましょう。
ただ初めてすぐには対応できません。コツコツ長く続けて初めて成果が出てくるので、今回の金利上昇ではなくあくまで将来のための備えとしてください。
とにかく今回の件は、住宅販売会社や巷のファイナンシャルプランナーが「変動金利でローンを組んでも、日本は上昇することはほとんど考えられませんよ」とミスリードしてきたことが原因だと思います。しっかりした記入知識がある人のアドバイスを受けることは、本当に大切です。