なぜ金融機関に相談すると資産が増えないのか?
なぜ金融機関に相談すると資産が増えないのか?
銀行や証券、保険会社ですでに何かしら資産運用や積立をしているお客様から、「このままでいいのか?」と相談にいらっしゃる方もたくさんいます。窓口の担当者にすすめられるがままに始めたものの、どうもお金がほとんど増えていなかったり、あるいはなぜか減ってしまっている方が結構たくさんいらっしゃいます。「金融機関に預けたおかげで資産がしっかり増えました」なんて方にはほとんどといっていいほどお会いすることがありません。プロであるはずの金融機関に相談したにも関わらず、なぜこんなことが起きるのでしょうか?
ある男の「金融機関による植民地支配」という指摘
アメリカにおいて、Appleのスティーブ・ジョブズやMicrosoftのビル・ゲイツより尊敬されていると言われるジョン・ボーグルという人がいます(もうお亡くなりになりました)。このブログでも何度もお話しした「インデックスファンド」を発明し、かの有名なバンガード社の創始者です。少し投資信託をかじった方であれば、VTI(バンガード・トータルストック・インデックス)を目にしたことがあるでしょう。彼の著書「インデックスファンドの時代」が邦題ですが、原題は「The Common Sence On Mutualfands」です。
「コモンセンス」といえば、学生時代に読まれた方も多いと思いますが、トマス・ペインの著作です。言わずもがな、アメリカで大英帝国の植民地支配からの独立の機運を高めたペーパーブックです。ジョン・ボーグルはインデックスファンド誕生前の状況を、「知識・スキルで圧倒的に優位にある金融機関による、一般消費者への植民地支配である」として著書に上記のようなタイトルを付けたのでしょう。そして自身の産み出したインデックスファンドこそ、個人の投資家で、しかもほとんど詳しくないどんな人でも、低コストで、力強い自国の株式市場の成長の利益をダイレクトに享受することができ、まさしくこの「金融機関の植民地支配」を終わらせる画期的なツールであると述べています。
アメリカではすでにかなりインデックスファンドによる投資が根付いており、金融教育も進んでいますが、日本ではまだまだです。
いまだにテーマ型投資信託(流行に乗ったキャッチーな名前の投資信託)や仕組債、分配型投資信託など、お客様の資産を毀損することで金融機関が儲ける状態が続いています。
「コモンセンス」といえば、学生時代に読まれた方も多いと思いますが、トマス・ペインの著作です。言わずもがな、アメリカで大英帝国の植民地支配からの独立の機運を高めたペーパーブックです。ジョン・ボーグルはインデックスファンド誕生前の状況を、「知識・スキルで圧倒的に優位にある金融機関による、一般消費者への植民地支配である」として著書に上記のようなタイトルを付けたのでしょう。そして自身の産み出したインデックスファンドこそ、個人の投資家で、しかもほとんど詳しくないどんな人でも、低コストで、力強い自国の株式市場の成長の利益をダイレクトに享受することができ、まさしくこの「金融機関の植民地支配」を終わらせる画期的なツールであると述べています。
アメリカではすでにかなりインデックスファンドによる投資が根付いており、金融教育も進んでいますが、日本ではまだまだです。
いまだにテーマ型投資信託(流行に乗ったキャッチーな名前の投資信託)や仕組債、分配型投資信託など、お客様の資産を毀損することで金融機関が儲ける状態が続いています。
日本の金融機関は顧客の資産を減らしてきた
画像は金融庁作成の資料です。
日本とアメリカで、資産規模上位5位つまり人気上位5銘柄の成績を比較したものです。アメリカでは過去10年の平均収益率(年率)が5.20%だったのに対し、日本ではなんと▲0.11%でなんと減っていたのです。定期預金の利息が0.01%ですから、投資などせず銀行預金にしようと考えるのも無理ないでしょう。(平成16年3月末基準。)
しかし知って降りていただきたいのは、1995年から2015年年末まで、日本の株式と債券に半分ずつ投資していたとしても、年平均1.9%、日本、先進国、新興国の株式と債券をそれぞれ6分の1ずつブレンドしていた場合は年平均4.0%のリターンが出せていたことです。金融機関が植民地支配によって、日本国民の資産を減らしているとの誹りは免れないでしょう。
理由はたくさん考えられますが、短期回転売買で金融機関に手数料をどんどん取られること、分配型投資信託が利益を出して分配していたわけではなく、単純に資産を取り崩して分配していること、テーマ型投資信託は流行もので、流行が終わると価格が下落い続けたこと等でしょう。「資産運用」を金融機関の相談することは、現状では誤った選択肢の一つなのです。
日本とアメリカで、資産規模上位5位つまり人気上位5銘柄の成績を比較したものです。アメリカでは過去10年の平均収益率(年率)が5.20%だったのに対し、日本ではなんと▲0.11%でなんと減っていたのです。定期預金の利息が0.01%ですから、投資などせず銀行預金にしようと考えるのも無理ないでしょう。(平成16年3月末基準。)
しかし知って降りていただきたいのは、1995年から2015年年末まで、日本の株式と債券に半分ずつ投資していたとしても、年平均1.9%、日本、先進国、新興国の株式と債券をそれぞれ6分の1ずつブレンドしていた場合は年平均4.0%のリターンが出せていたことです。金融機関が植民地支配によって、日本国民の資産を減らしているとの誹りは免れないでしょう。
理由はたくさん考えられますが、短期回転売買で金融機関に手数料をどんどん取られること、分配型投資信託が利益を出して分配していたわけではなく、単純に資産を取り崩して分配していること、テーマ型投資信託は流行もので、流行が終わると価格が下落い続けたこと等でしょう。「資産運用」を金融機関の相談することは、現状では誤った選択肢の一つなのです。
金融庁が対策に乗りだしている
上記のような資料を作っている金融庁はじめ政府も、危機感を募らせて対策を始めています。なにせ1995年から2015年末までで、米国の家計金融資産は3.11倍、英国で2.27倍だったのに対し、日本ではわずか1.47倍にしかならなかったのですから。このままでは日本だけが先進国の中で取り残されてしまいます。積立NISAやiDecoなど制度導入を進めている背景もこれが要因の一つです。高校の家庭科ではついに金融教育も始まりました。
しかしまだまだ始まったばかりです。十分浸透しているとはいえず、特に家計金融資産の大半を保有しているリタイアメント層への金融機関の販売手法は旧態依然としてほとんど改善が見られません。自分の身は自分で守らなくてはいけません。
ジョン・ボーグルの言う通り、そして私がこのブログで何度もお話ししている通り、(世界株式)インデックスファンドに投資するのが誰にでもできて無難な手段です。
しかしまだまだ始まったばかりです。十分浸透しているとはいえず、特に家計金融資産の大半を保有しているリタイアメント層への金融機関の販売手法は旧態依然としてほとんど改善が見られません。自分の身は自分で守らなくてはいけません。
ジョン・ボーグルの言う通り、そして私がこのブログで何度もお話ししている通り、(世界株式)インデックスファンドに投資するのが誰にでもできて無難な手段です。
トレンドは常に行き過ぎを生む
現在ではかなりインデックスファンドが都市部の若年層に浸透してきています。若いお客様とお話ししていると、すでに米国インデックスファンドに積み立てNISAなどで投資をしているが、米国株だけでいいのかと質問されたりします。5年前ではまだ感じなかっことです。しかし今インデックスファンド偏重ともいえる行き過ぎも生じていると感じています。「庶民の味方」を看板にするYoutuberやブロガーが視聴数を稼ぐために金融のプロでもないにかかわらず、過去実績だけ見たり浅い知識で「米国株式インデックスファンドにだけ投資すればOK!」みたいなことを言っています。声も大きいのでとても厄介です。以前ブログでも書きましたので詳述しませんが、そんなことはありません。そして皆さん誰もが知るようなYoutuberやブロガーには、「後ろ盾」が存在している可能性を考えなくてはなりません。「庶民の味方」を隠れ蓑に、特定の組織が、なんらかの意図をもって情報を発信している可能性もあります。そのほか、大々的に宣伝をしているもの(しなくては売れないもの)にも用心が必要です。金融商品に限らずです。
みなさん一人一人が賢い消費者になることで、少しずつ社会がよくなっていくと信じています。
みなさん一人一人が賢い消費者になることで、少しずつ社会がよくなっていくと信じています。