なぜ投資の大家は保険を勧めるのか
なぜ投資の大家は保険を勧めるのか
「投資」と「保険」は対極にとらえられたり、別個に考えられたりすることがしばしばあります。
「投資をしているから保険はいらない」とか「保険のコストは資産運用の足枷になる」とまで考えている人もいるようです。
しかしこれは完全に間違いです。
「投資」と「保険」は切っても切り離せないものであり、お互いが補完しあい相乗効果を高めうる要素であることを今日はお話ししたいと思います。
「投資をしているから保険はいらない」とか「保険のコストは資産運用の足枷になる」とまで考えている人もいるようです。
しかしこれは完全に間違いです。
「投資」と「保険」は切っても切り離せないものであり、お互いが補完しあい相乗効果を高めうる要素であることを今日はお話ししたいと思います。
「投資の大家」バートン・マルキール氏の言葉
投資信託業界の伝説的存在、経済学者であり自身も投資で成功を収めたバートン・マルキールは、業界の人間なら読んだことはなくても一度は聞いたことがある名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」で下記のように述べています。
「ほとんどどんな人でも、何らかの保険に入っておく必要がある。家族持ちなのに保険に加入していないと責任放棄と非難されるだろう」、「こうした人生の破綻に備えるために、どの家庭でもある程度の現金を持ち、適切な保険に加入しておくことが不可欠なのだ」と。
「こうした」とは、「マーフィーの法則」でいうように、「起こる可能性がある悪いことは起こる」、「トースターのバターを塗った面が絨毯に落ちる確率は絨毯の価格に比例する(悪いことは重なる)」といった人生に起こるハプニングのことです。入院して医療費がかさむときにエアコンが壊れたり、子供がテレビを壊した月のボーナスがカットされたりということも起こりえます。
事前にに備えられる事態にあらかじめ備えておかないのは賢明とは言えません。病気やケガ、物損、あるいは世帯主の死亡や就労不能など、予期しうる事態には適切に備えることがやはり賢明なのです。
「ほとんどどんな人でも、何らかの保険に入っておく必要がある。家族持ちなのに保険に加入していないと責任放棄と非難されるだろう」、「こうした人生の破綻に備えるために、どの家庭でもある程度の現金を持ち、適切な保険に加入しておくことが不可欠なのだ」と。
「こうした」とは、「マーフィーの法則」でいうように、「起こる可能性がある悪いことは起こる」、「トースターのバターを塗った面が絨毯に落ちる確率は絨毯の価格に比例する(悪いことは重なる)」といった人生に起こるハプニングのことです。入院して医療費がかさむときにエアコンが壊れたり、子供がテレビを壊した月のボーナスがカットされたりということも起こりえます。
事前にに備えられる事態にあらかじめ備えておかないのは賢明とは言えません。病気やケガ、物損、あるいは世帯主の死亡や就労不能など、予期しうる事態には適切に備えることがやはり賢明なのです。
ノーベル経済学賞ロバート・シラー氏
ノーベル経済学賞を受賞し、著書「根拠なき熱狂」で有名なロバート・シラー氏はイェール大学の講義において、「ファイナンス(財務)と保険は切り離して考えられるものではない。」という趣旨の発言をしています。保険とはリスクを事前にプール(備えて積み立てる)することにより、不測の事態が発生したときに保険会社から受け取る保険金で補填し、財務の健全性を守るためのものであるということです。
ロバート・シラーが言っているのは企業財務のことですが、個人にも当てはまります。
ここで重要なことは、「不測の事態」は言葉通りいつ起きるかわからないため、事前に自力で現金をストックする時間がないことの方が多いこと、自前の資金だけでは「不測の事態」で発生する損失をカバーしきれず、保険というみんなでお金を出し合って大きなお金を作っておくという相互扶助の仕組みが必要だということです。
ロバート・シラーが言っているのは企業財務のことですが、個人にも当てはまります。
ここで重要なことは、「不測の事態」は言葉通りいつ起きるかわからないため、事前に自力で現金をストックする時間がないことの方が多いこと、自前の資金だけでは「不測の事態」で発生する損失をカバーしきれず、保険というみんなでお金を出し合って大きなお金を作っておくという相互扶助の仕組みが必要だということです。
投資に危険な二つの「自信過剰バイアス」
投資に積極的な方ほど陥りやすい危険な罠として、二つの「自信過剰バイアス」が存在します。
自信過剰バイアスとは簡単に言うと「自分だけは絶対に大丈夫だ!」という根拠のない思い込みです。
一つ目は「自分だけは短期売買や株の予想でうまく稼げる」という思い込みです。ほかの人は損するけど、自分だけは損しないとなぜか考えてしまい、果敢に挑戦するのですが、うまくいった人を見たことがありません。株が短期で上がるか下がるかなんて、確率は二分の一です。
二つ目は「自分にだけは不測の事態は降りかからない」という思い込みです。自分に限って、株価が下落しているときにがんと診断され多額の治療費が必要になったり、子供の大学進学が決まったとたんに、事故で障害を負ってしまい、進学費用として積み立てていた投資信託を治療費やリハビリのために解約せねばならないようなことは起こらないと思ってしまうのです。人間ですから、そんなこと考えたくもないのはよく理解できます。私だってそう思いたいですから。しかし善人悪人関係なく試練は与えられるものです。
投資に成功する人は、決してリスクを過小評価せず、正しく理解しうまく付き合い続けることができる人です。「神は自ら助くる者を助く」。起こりうるリスクを正しく認識し、備えることは非常に重要です。
自信過剰バイアスとは簡単に言うと「自分だけは絶対に大丈夫だ!」という根拠のない思い込みです。
一つ目は「自分だけは短期売買や株の予想でうまく稼げる」という思い込みです。ほかの人は損するけど、自分だけは損しないとなぜか考えてしまい、果敢に挑戦するのですが、うまくいった人を見たことがありません。株が短期で上がるか下がるかなんて、確率は二分の一です。
二つ目は「自分にだけは不測の事態は降りかからない」という思い込みです。自分に限って、株価が下落しているときにがんと診断され多額の治療費が必要になったり、子供の大学進学が決まったとたんに、事故で障害を負ってしまい、進学費用として積み立てていた投資信託を治療費やリハビリのために解約せねばならないようなことは起こらないと思ってしまうのです。人間ですから、そんなこと考えたくもないのはよく理解できます。私だってそう思いたいですから。しかし善人悪人関係なく試練は与えられるものです。
投資に成功する人は、決してリスクを過小評価せず、正しく理解しうまく付き合い続けることができる人です。「神は自ら助くる者を助く」。起こりうるリスクを正しく認識し、備えることは非常に重要です。
すべての金融商品は「必要な時に必要な現金を準備する手段」である
このタイトルについては次回「預金」、「投資信託」、「保険」それぞれについて解説していきたいともいますが、「いつ起きるかわからない不測の事態」に備えるには保険しかありません。急に多額の現金が必要になったときに必要な現金をすぐに給付してもらえます。かといって自分にどんなリスクが想定され、どのくらいの金額を準備しなければならないかは、なかなか把握が難しいところです。先ほどのバートン・マルキールも「ウォール街のランダム・ウォーカー」で「幼い子供のいる家庭ではかなり大きな額の生命保険に加入しとくべきだ」と書いていますが、その「かなり大きな金額」がいくらかは住んでいる地域や親御さんの教育方針によってかなり変動します。私が投資や保険の相談に際し、ライフプランシミュレーション作成のお手伝いから入るのはそのためです。
顧客の人生設計をまず一緒に考え、そのうえで資金準備のアドバイスをさせていただいています。
ご興味あればお問い合わせください。
保険を選ぶときに心がけるべきアドバイスとしては、できるだけシンプルな商品を選ぶということです。
「ウォール街のランダム・ウォーカー」では「財産の安全を図るうえで、普遍的なルールはなるべくシンプルにしておくことだ」と述べています。相談に来られる方の中にも、「学資保険に入っている」と言われてみてみると医療保険がセットになっていて元本割れしていたり、「かけすてではないといわれて加入した」と言われてみてみると、いろんな特約がくっ付いていて、払った金額の2,3割しか戻らないうえ(せめて半分くらいは返ってくると思っていたそうです)、「この特約は何かわかりますか?」と聞くと「よくわからない」といったことがよくあります。よくわからないものにコストをかけることは極力避けたいところです。生命保険は皆さんが思っているより複雑な商品です。わざわざもっと複雑になるような行為は賢明ではないと考えています。「死亡」、「就業不能」、「医療」保障はそれぞれ別の商品で契約することをお勧めします。
顧客の人生設計をまず一緒に考え、そのうえで資金準備のアドバイスをさせていただいています。
ご興味あればお問い合わせください。
保険を選ぶときに心がけるべきアドバイスとしては、できるだけシンプルな商品を選ぶということです。
「ウォール街のランダム・ウォーカー」では「財産の安全を図るうえで、普遍的なルールはなるべくシンプルにしておくことだ」と述べています。相談に来られる方の中にも、「学資保険に入っている」と言われてみてみると医療保険がセットになっていて元本割れしていたり、「かけすてではないといわれて加入した」と言われてみてみると、いろんな特約がくっ付いていて、払った金額の2,3割しか戻らないうえ(せめて半分くらいは返ってくると思っていたそうです)、「この特約は何かわかりますか?」と聞くと「よくわからない」といったことがよくあります。よくわからないものにコストをかけることは極力避けたいところです。生命保険は皆さんが思っているより複雑な商品です。わざわざもっと複雑になるような行為は賢明ではないと考えています。「死亡」、「就業不能」、「医療」保障はそれぞれ別の商品で契約することをお勧めします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
人生は一度しかありません。
人間ですから失敗することもあるし、予期しないハプニングにも遭遇します。
しかしそこから挽回して立ち直れるかは、それまでの準備にかかているのです。
自信過剰にならず起こりうるリスクについてきちんと理解し、うまく付き合うこと。
備えられるリスクには保険などの手段を使ってしっかり備えておくこと。
ご自身のたった一度の人生を最大限謳歌できるよう、お一考をすすめします。
人生は一度しかありません。
人間ですから失敗することもあるし、予期しないハプニングにも遭遇します。
しかしそこから挽回して立ち直れるかは、それまでの準備にかかているのです。
自信過剰にならず起こりうるリスクについてきちんと理解し、うまく付き合うこと。
備えられるリスクには保険などの手段を使ってしっかり備えておくこと。
ご自身のたった一度の人生を最大限謳歌できるよう、お一考をすすめします。