それでも物価が上がり続ける理由
それでも物価が上がり続ける理由
私が10代のころ、物価といえば毎年どんどん安くなるものだというふうに思っていました。ガソリン代は80円台、大手ハンバーガーチェーンのハンバーガーが60円になったり、牛丼が一杯300円以下になったり。
私だけでなく、日本人にとって、物価上昇とはなかなかなじみのなかったものだと思います。
ですが世界的には物価上昇を続けており、ついに日本も例外ではなくなるという興味深い研究が出てきました。
今日はこのトピックについてお話していきたいと思います。
私だけでなく、日本人にとって、物価上昇とはなかなかなじみのなかったものだと思います。
ですが世界的には物価上昇を続けており、ついに日本も例外ではなくなるという興味深い研究が出てきました。
今日はこのトピックについてお話していきたいと思います。
そもそも物価上昇とは?
そもそも物価上昇(インフレーション)とはどういった現象なのでしょうか?
同じものを買うのに、よりたくさんお金を出さないといけなくなる状態が物価上昇だというのは、すでにご承知の通りです。
もう少しいうと、「ものに対してお金の価値が下がる」状態を言います。そのお金の価値が下がるので、よりたくさんお金を出さないと、ものと交換してもらえなくなるというわけです。
実は日本も、戦後ずっと物価上昇が続いていました。日銀統計の消費者物価指数を用いて計算すると、昭和40年の1万円は、令和3年の約2380円の価値(約4.2分の1)しかないようです。裏返すと昭和40年に1万円で買えたものは、令和3年では4.2万円ださないと買えないことになります。物価が横ばいの現状は、むしろ近年の特殊な状況なようです。
同じものを買うのに、よりたくさんお金を出さないといけなくなる状態が物価上昇だというのは、すでにご承知の通りです。
もう少しいうと、「ものに対してお金の価値が下がる」状態を言います。そのお金の価値が下がるので、よりたくさんお金を出さないと、ものと交換してもらえなくなるというわけです。
実は日本も、戦後ずっと物価上昇が続いていました。日銀統計の消費者物価指数を用いて計算すると、昭和40年の1万円は、令和3年の約2380円の価値(約4.2分の1)しかないようです。裏返すと昭和40年に1万円で買えたものは、令和3年では4.2万円ださないと買えないことになります。物価が横ばいの現状は、むしろ近年の特殊な状況なようです。
「適度な」物価上昇は健全である
物価が上昇するといわれると、ものが高くなって生活が困るとネガティブに捉えがちですが、本来適度であれば物価上昇は歓迎すべき事象です。
なぜなら物価上昇は経済成長に欠かせない要素だからです。
例えば、今毎年10%ずつ物価が上がっている状態で、皆さんは家を購入しようとしているとしましょう。家の価格は現在3000万円です。今物価は毎年10%上昇しているので、来年まで購入の決断を延ばすと、同じ家を買うのに3300万円支払わなければなりません。みなさんだったら、来年まで購入するのを延ばし、みすみす同じ家の価格が10%値上がりするのを待つでしょうか?
答えはもちろん「今年のうちに買う」でしょう。そうすると家を販売している業者はもちろん、施工業者等も売り上げが立つことになります。そうすると利益が出ます。十分に利益が出れば、従業員の給与を上げることができます。給与が上がれば、従業員の財布のひもも緩み、どうせ来年になったら値段が上がるなら今買っておこうと消費が活発になります。そうすると社会全体で企業の売り上げが伸び、給与水準が上がっていくことで、経済成長していけることになります。だいたい適度な物価上昇は年率2~3%と言われていますが、適度なインフレ期待局面では、こうやって経済が発展していくため、インフレは重要な要素なのです。
なぜなら物価上昇は経済成長に欠かせない要素だからです。
例えば、今毎年10%ずつ物価が上がっている状態で、皆さんは家を購入しようとしているとしましょう。家の価格は現在3000万円です。今物価は毎年10%上昇しているので、来年まで購入の決断を延ばすと、同じ家を買うのに3300万円支払わなければなりません。みなさんだったら、来年まで購入するのを延ばし、みすみす同じ家の価格が10%値上がりするのを待つでしょうか?
答えはもちろん「今年のうちに買う」でしょう。そうすると家を販売している業者はもちろん、施工業者等も売り上げが立つことになります。そうすると利益が出ます。十分に利益が出れば、従業員の給与を上げることができます。給与が上がれば、従業員の財布のひもも緩み、どうせ来年になったら値段が上がるなら今買っておこうと消費が活発になります。そうすると社会全体で企業の売り上げが伸び、給与水準が上がっていくことで、経済成長していけることになります。だいたい適度な物価上昇は年率2~3%と言われていますが、適度なインフレ期待局面では、こうやって経済が発展していくため、インフレは重要な要素なのです。
日本の物価上昇が歓迎できない理由
日本で今物価上昇がネガティブに捉えられているのは、上記のような良い経済循環の結果の物価上昇ではなく、輸入に頼っている食糧、エネルギー価格が高騰しているからです。企業は調達コストが高くなり、しかも国内経済が成長していないので製品に価格転嫁できない苦しい状況です。当然従業員の給与を上げることなどできません。利益が伸ばせないのですから。収入が増えないのに物価が上がっていくのは恐怖しかありません。日本のように国民が勤勉で、優秀な人材も多く、民間企業の努力でオイルショックやバブル崩壊など様々な危機を乗り切ってきた経済大国にもかかわらず、こんなことになるのは完全に政策の失敗です。
しかしこんな状況だからこそ、日本企業は低コストでハイクオリティの商品を生み出す力にかけては世界一です。日本企業もまだまだ捨てたものではありません。
しかしこんな状況だからこそ、日本企業は低コストでハイクオリティの商品を生み出す力にかけては世界一です。日本企業もまだまだ捨てたものではありません。
物価が上がり続ける理由
少し話がそれましたが、基本的に今後物価が下がる要因はゼロと言っていいほどなく、上昇圧力がかかりつづけます。理由を4つあげます。
①景気循環好転のため、中央銀行は2~3%の物価上昇を目指した政策をとる
②人口増加で需要が増大し続ける
③技術革新や生活スタイルの変化は今後も起こる
④新型コロナの財政出動の後遺症がある
からです。
①の理由は上記ですでに述べました。現在のような過度なインフレは抑制すべきですが、2~3%はインフレしないと景気循環がよくならないため、物価が下落したり横ばいになる局面では、中央銀行は物価上昇に転じるよう政策を打ちます。
②も想像にたやすいでしょう。世界では人口が増え続けており、それに伴って消費・需要は拡大を続けます。食料やエネルギーは限られているため、買い手が増えると価格が上がるのは当然のことだからです。
③はわかりやすい例をあげましょう。昔は携帯電話なんてものはありませんでした。その後携帯電話が登場し、通信キャリアは大金をかけて設備投資し、携帯電話網を整備しました。設備投資は当然価格に転嫁します。それから通話と簡単なメールくらいだった携帯電話の機能が、現在はスマートフォンという高度な機器に代わり、年々目覚ましい進化を遂げています。開発費や生産コストもうなぎ上りで、当然機器代はどんどん高くなります。だからといって手放すことはもうできません。生活スタイルがスマホなしでは成り立たなくなったからです。こんなことは30年前は多くの人が想像もしていなかったでしょう。こういった技術革新やそれにともなう生活スタイルの変化は必ず起こります。
④ですが、新型コロナ感染症への各国の過剰なロックダウン政策により、国民経済が疲弊したため、大幅な財政出動を余儀なくされたことによります。各国が財政出動のため赤字国債を大量に発行し、貨幣を発行しまくったため、市場にマネーが大量に流入しました。すでに述べた通り、「ものに対してお金の価値が下がった状態」つまりものに対してお金の量が多すぎる状態が物価上昇です。コロナの財政出動は市場のマネー流通量を急激に増やし、貨幣価値の低下に一役買いました。もとはといえばアメリカの物価上昇の引き金を引いたのはこれです。
簡単に言えばこんなところです。
物価が今後も上昇し続ける傾向にあることはゆるぎないと言っていいでしょう。いま話題の「人口動態の大逆転(チャールズ・グッドハート、マノジ・プラダン共著)」でも、今後先進国の物価上昇は4%前後で推移すると予測しています。
①景気循環好転のため、中央銀行は2~3%の物価上昇を目指した政策をとる
②人口増加で需要が増大し続ける
③技術革新や生活スタイルの変化は今後も起こる
④新型コロナの財政出動の後遺症がある
からです。
①の理由は上記ですでに述べました。現在のような過度なインフレは抑制すべきですが、2~3%はインフレしないと景気循環がよくならないため、物価が下落したり横ばいになる局面では、中央銀行は物価上昇に転じるよう政策を打ちます。
②も想像にたやすいでしょう。世界では人口が増え続けており、それに伴って消費・需要は拡大を続けます。食料やエネルギーは限られているため、買い手が増えると価格が上がるのは当然のことだからです。
③はわかりやすい例をあげましょう。昔は携帯電話なんてものはありませんでした。その後携帯電話が登場し、通信キャリアは大金をかけて設備投資し、携帯電話網を整備しました。設備投資は当然価格に転嫁します。それから通話と簡単なメールくらいだった携帯電話の機能が、現在はスマートフォンという高度な機器に代わり、年々目覚ましい進化を遂げています。開発費や生産コストもうなぎ上りで、当然機器代はどんどん高くなります。だからといって手放すことはもうできません。生活スタイルがスマホなしでは成り立たなくなったからです。こんなことは30年前は多くの人が想像もしていなかったでしょう。こういった技術革新やそれにともなう生活スタイルの変化は必ず起こります。
④ですが、新型コロナ感染症への各国の過剰なロックダウン政策により、国民経済が疲弊したため、大幅な財政出動を余儀なくされたことによります。各国が財政出動のため赤字国債を大量に発行し、貨幣を発行しまくったため、市場にマネーが大量に流入しました。すでに述べた通り、「ものに対してお金の価値が下がった状態」つまりものに対してお金の量が多すぎる状態が物価上昇です。コロナの財政出動は市場のマネー流通量を急激に増やし、貨幣価値の低下に一役買いました。もとはといえばアメリカの物価上昇の引き金を引いたのはこれです。
簡単に言えばこんなところです。
物価が今後も上昇し続ける傾向にあることはゆるぎないと言っていいでしょう。いま話題の「人口動態の大逆転(チャールズ・グッドハート、マノジ・プラダン共著)」でも、今後先進国の物価上昇は4%前後で推移すると予測しています。
世界の株式以上への投資のみが物価上昇に対抗できる
日本人には何かと迷惑千万の物価上昇ですが、すでに何度も対抗手段はお伝えしています。
そう「世界の株式市場に投資する、投資信託を積み立てる」です。上記で述べた物価上昇の原因は、すべて(④は微妙ですが長期的な要因ではありません)企業の利益成長をもたらし、株価を上昇させます。この企業の利益成長の恩恵を投資信託を使えばダイレクトに受け取ることができます。
本当に考えれば考えるほど、世界の株式市場に投資する投資信託を活用することは、とても理にかなった方法なのです。
そう「世界の株式市場に投資する、投資信託を積み立てる」です。上記で述べた物価上昇の原因は、すべて(④は微妙ですが長期的な要因ではありません)企業の利益成長をもたらし、株価を上昇させます。この企業の利益成長の恩恵を投資信託を使えばダイレクトに受け取ることができます。
本当に考えれば考えるほど、世界の株式市場に投資する投資信託を活用することは、とても理にかなった方法なのです。